『人生オークション』原田ひ香
No.1740 2023年1月27日読了
原田ひ香さんのお仕事小説でした。ちょっと変わったお仕事が特徴かも知れません。
短編小説が二つ収録されています。
最初は本のタイトルになっている「人生オークション」です。
主人公の叔母さんが離婚して一人になり、オークションで生計を立てるという話で、主人公がそれを助けるのです。
「人生」が付いているのは、山のような荷物をオークションで減らして行く、ミニマリストではないのですが、減らした分だけまさに人生が軽くなって行く話なのです。
お仕事と言って良いかどうかは、迷うところです。
もう一つの話「あめよび」は、ラジオ番組のハガキ職人と付き合っている主人公の話です。
主人公は眼鏡屋さんに勤める女性で、ハガキ職人が彼氏なのです。
ハガキ職人と言っても、ハガキを作っている人ではなく、ラジオ番組にハガキを送って読まれる人という意味です。
これを職業と言うべきかどうか。
ネタバレになるので、これ以上は書きませんが、二つの話はそれぞれ再生の話なのかも知れません。
変な仕事がモチーフになっている点も共通するのですが、どちらも新しい人生が始まる話なのかも知れません。
個人的には、「人生オークション」の方が好きだったりします。
僕が読みたい原田ひ香さんの小説だと思います。
「あめよび」の方が良いと言う方も多いでしょう。確かに奥が深い気がします。
いずれにしても、原田ひ香さんらしい小説だったと思います。
1月下旬はいろいろ忙しかったのか、それともただただ心に余裕が無かったためか、ブログの更新ができないでいました。
しばらく前に読んだ本の感想をやっと書くことができました。