『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈

麦二郎
麦二郎
2023年12月18日

No.1819 2023年12月7日読了

主人公は、成瀬あかり。滋賀県大津市生まれ、同市在住。
いやいや、主人公のキャラがとんでもなく面白い。「天下を取る」と言い出しそうなキャラである。
その主人公をずっと見守ってきたのが、島崎みゆき。
同じマンションに住んでいる。

物語は、6つの短編により構成されている。
短編それぞれ目線は変わる。
そのほとんどが成瀬が主人公なんだけど、1つだけ違っている。
「階段は走らない」という短編だ。
ちらりと、端役のように成瀬が写っている感じだ。

成瀬の中学2年生から高校3年生までが描かれているのは、連作短編と言って良いだろう。
とにかく成瀬は変わったキャラなんだけど、それがとても魅力的に映る。
何とも言葉にできない魅力だ。
そして不思議。
どこまでもマイペースかと思っていたら、何やら最後の「ときめき江州音頭」でそうでも無い一面を見せて、それはそれで良いなと思った。
やはり、成瀬と島崎は一緒でなければダメなのだ。

来年1月24日に続編が刊行されるから、楽しみだ。
『成瀬は信じた道をいく』がそのタイトルだけど、ぜひ読んでみたいと思う。
また新しい作家さんの本に、はまってしまいそうだ。

麦二郎

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