『じい散歩』藤野千夜

No.1864 2024年4月14日読了

このところの2週間ばかり、読書はほとんどできていませんでした。
この本を少しずつ読み進めていた以外は、ほとんど読めていません。
新しい年度始まりに、読書にエンジンをかけようと思っていたのですが、思いどおりには行かなかったようです。
時間が無かったわけではないのですが、少々仕事が忙しくて、気持ちに余裕が無かったのだろうと思っています。

さて、本題に入りましょう。
この本を買った時に、期待していた内容とは、どういうものだったか。
おじいさんが散歩をしている途中で出会った人や起こった事が、ユーモラスに描かれている短編小説をイメージしていました。

全然違っていました。
おじいさんの散歩は、認知症になりかけている妻に浮気していると疑われています。
おじいさんが若かりし頃に浮気が見つかった過去があり、それを思い出しているのかも知れません。
散歩の途中で出会うのは。やはり女性なんですが、特に浮気はしていません。
そういう年齢でもないのです。
エロ写真集などのコレクション癖があり、女の子に良く声をかけるおじいさんですが、浮気をするような年齢でもないのです。

この夫婦には3人の息子がいて、完全に自立しているのは1人だけでしょうか。
その1人は、息子なんだけど自称長女だったりします。
長男は若い頃からずっと引き籠もりで、三男は一応事業を立ち上げているけれど、赤字の補填を親にせがむのです。
冷静に家族を見ると、破綻しかけているじゃないですか。
とても幸せな家族とは言えなくて、誰もお墓の面倒を見てくれそうもありません。

著者の藤野千夜さんのプロフィールを見ると、芥川賞作家さんではありませんか。
この小説は、ユーモア小説ではなく、人の寿命とそれを無理矢理延ばそうとしている現代医学を批判している小説ではないか、なんて思ってしまいます。
老老介護の身につまされる状況を描いているのかと思いきや、そこまで悲惨には描かれていない気がします。
こんなところが現実なのかなとも思ってしまうのですが、最初のイメージと読んでみた内容がかなり乖離していて、ページも進まず結構時間がかかってしまったのでした。

麦二郎

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