『天使も怪物も眠る夜』吉田篤弘

麦二郎
麦二郎

No.1779 2023年6月2日読了

2019年7月に出版された本。
螺旋プロジェクトと称された8人の作家の8冊の本で、「海族」と「山族」の対立の絵巻物。
時代は原始から未来へ続く物語で、この本は最終章で2085年頃から2095年頃までを舞台とした物語です。
他の7冊の本は、2019年の秋には読み終えていたのですが、この本は途中で挫折してしまって、長い間本棚の積読本になっていました。
積読本の中でも一番古いものだったのですが、今回「積読本一掃プロジェクト」を始めて、とうとう読み終えることができました。

ちょっと感慨深い心境になり、達成感に浸っています。
ちなみに去年の11月に文庫本でも発売されているようです。
長くかかったものです。

内容

舞台は未来の東京。
壁によって分断されていて、「不眠の都」と呼ばれていた。
壁の向こうには長い間眠っている眠り姫がいて、八人目の王子が壁を越えて行く。

登場人物が非常に多い物語。
最初に登場人物紹介ページがあり、見開きに25人と1匹が紹介されている。
前に読みかけた時は、理解できずに眠くなって途中で挫折してしまって、この本は禁断の本になっていたようです。

物語の作りとしては、面白い部分が多々あるのでしょうが、それを理解するのが大変な感じがします。
特に僕の場合は、そういうのが苦手です。
つまり、登場人物が覚えられないことで、つまずいてしまうのです。
外国文学でも同様なので、滅多に読みません。

この物語は、グリム童話の「いばら姫」がモチーフになっているようです。
そもそもどうして姫が長い眠りについてしまったのか。
東京は「不眠の都」と呼ばれるようになっていたのに。
そういうところがこの本の面白さなのかも知れません。

これから…

実は吉田篤弘さんの本は、これが2冊目でした。
以前に『つむじ風食堂の夜』という本を読みました。
この本も、僕にとっては難解な本で、その時のイメージがあって、『天使も怪物も眠る夜』が長期の積読本になってしまった理由の一つかも知れません。

吉田篤弘さんの本は、実はタイトルがどれも素敵で、「読んでみたい」と思うのですが、最初のイメージで難しいのだろうなと思ってしまい、なかなか読めません。
そのうち、ちょっとチャレンジしてみるかも知れません。
難しかったけれど、『天使も怪物も眠る夜』が面白かったからです。

麦二郎

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