『踏切の幽霊』高野和明

麦二郎
麦二郎

No.1838 2024年1月28日読了

読み応えのある作品で、直木賞候補になった作品というのは、頷けました。
この作品のことをどこで知ったのか、忘れましたが、気になった頃図書館で予約をして、長い間待って、やっと読めました。
こういう読み応えのある本と出会うと、本当に読んで良かったと思います。

ミステリー作品なので、ネタバレは避けたいと思います。
なので抽象的な感想になってしまうかも知れませんが、とても哀しい物語でした。
感じ方によっては、いろんな面で人間の哀しさを目の当たりにしてしまいます。
読後感が悪いかと言うと、やっぱり救われるものはあったのか、そんなに悪くはありません。
すっきりしたかと言うとそうではないですが、こういう終わり方が一番なのかも知れません。

環境に恵まれないことの哀しさもあります。
冷静になると、救いようが無いくらい不幸な話です。
涙は流しませんでしたが、涙を流す人もいることだろうと思います。
いろいろ振り返ると、やっぱり明るい話ではないです。
そういう意味では、直木賞候補になるくらい、著者は書き切っているのかも知れません。

最初はゆっくり読んでいきましたが、半分を過ぎたあたりから次のページを捲りたい気持ちが強くなり、昨日から今日にかけて一気に読みました。
そういう意味の「面白い」小説でした。

麦二郎

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