『「忘れる」力』外山滋比古
No.1692 2022年5月29日読了
この本を買ったのは、東京駅構内の本屋さんでした。
その時僕の頭の中には「忘れる」というキーワードがあって、この本はそういうタイミングにぴったりの本でした。
しかし、往々にして期待は外れるものであって、じっくり読んでみると、「忘れる」ことがテーマになっているエッセイは1編のみでした。
そして、本のタイトルがその本の全てを表しているものではないということを、体験するに至ったのでした。
この本は、「創るチカラ」と「ことばの旅」、「あたまの散歩道」の3つのパートに分かれていて、数ページのエッセイが27編収録されています。
「忘れる」ことに関しては、3番目の「あたまの散歩道」の中の1編に、「健忘のススメ」というタイトルのエッセイがあり、これだけでした。
記憶力が良すぎても、新しいことが入って来ないから、忘れることは大事なんだ、みたいなことでした。
見事に期待は外れましたが、その他のエッセイについても楽しく読めました。
ことばに関するエッセイには、興味深いことが沢山書かれていて、「なるほどそうだったのか」ということも多々ありました。
期待は外れたが、求めていたもの以外の面白さは十分だった気がします。