『くもをさがす』西加奈子

麦二郎
麦二郎

No.1822 2023年12月23日読了

乳癌を宣告され、抗がん剤治療や乳房の摘出、放射線治療を経て回復するまでの闘病記。
よく「病気と闘うのではなく、付き合う」みたいなことを書かれているものがあるが、この本の場合は闘っている気がする。

僕は大病の経験も無く、コロナ禍でもまだ罹患せずに済んでいて、血糖値がやや高い他はほぼ健康体なので、未経験の領域。
それにしても、抗がん剤治療や放射線治療の副作用は、ひどいものだ。
著者よりも20歳くらい年上なので、僕の場合がんになったら、積極的な治療は避けたい気がする。
著者も書いているが、がんとどう闘うか、付き合うかは、個々人によって様々のようだ。
がんの性質にもよるだろうし、あまりに高齢だと無理に治療しない方が生きられる場合もありそうだ。
未経験者の想像でしかないけれど。

何よりも書くことで、病気に向き合っている気がする。
書くことで向き合う経験は、僕もしている。毎日書く日記やモーニング・ページの中で、敢えて自分ができないことと向き合うことがある。
時には敢えて目を背けることもあるけれど、向き合った方が解決へ導ける確率は高い。
書くことは力になると思う。

この本を読んでいて感じたのは、西加奈子さんを取り巻く医師や看護師だけでなく、同じくがんにかかったことのある知人たちの暖かさによって、力づけられている気がする。
家族も含め、一人ではここまで闘えないし、強くなれないと感じた。

改めて人生のかけがえのなさ、命の大切さ、健康であることへの感謝、これから先の生き方、いろんな示唆をいただいた気がする。

話しは逸れるけれど、気がついてみるとこのところ、本の記事ばかりになっている。
それもしばしば更新できているなら良いけれど、間隔が空きっぱなし。
カテゴリーも見直して、できるだけ毎日更新できるようにしたいと、改めて思っているところです。

麦二郎

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