『病院に行かない生き方』池田清彦
No.1861 2024年3月21日読了
生物学者の池田清彦先生の健康や老化に関する本。
何と70代後半の年齢にもかかわらず、毎日お酒を飲んでいるそうで、飲まなかったのは1日だけと言うから、驚いてしまった。
毎日飲んでも大丈夫な人もいるし、そうでなくて一滴も飲めない人もいるのだから、人間には大きな個体差がある。
お酒だけではなく、血圧など健康診断で計測されるいろいろな数値も然り。
数値の平均的な値を外れたからと言って、それを健康でなく病気にしてしまう現代の医療への批判の書とも言って良いと思う。
実際同感することが多々あった。
お酒を飲むことの言い訳みたいに聞こえるかも知れないけれど、飲まないことのストレスが健康の大敵なんだと思う。
もちろん、私の場合は飲みたくない日もあったりする。
飲むことよりも夜の時間にゆっくり本を読みたい日だってある。
ストレスにならない程度に、肝臓を休めたいと思っている。
要するに人それぞれなのである。
数値よりも自分で感じる体調を大事にすべきということも、納得できる。
がん検診に関する記述も同感できた。
がんにはすぐに消えるものや悪性のものなど種類があるが、がん検診によりすぐに消えるがんなのにその治療をして身体に負担をかけること自体が命取りになるケースがあるらしい。
私の母は年老いてできたがんの治療を始めて、別な病気で亡くなってしまった。
因果関係は不明なので、がんの治療のせいと決めつけられないけれど、薬には副作用があるのは間違いない。
体に毒になる薬は多々ある筈で、人によってそうでもない人もいれば、毒となる人もいるということ。
健康診断を受けたくないけど、受けざるを得ないので、最低限のコースをいつも選択している。
多くの人は、より詳しい検査をするために、人間ドックとやらを受診している。
私はそもそもあの流れ作業のようなものを信用していない。
問診もあるけれど、この医者は何のためにここにいるのか、わからなくなることがある。
血圧の数値を見て高いと言うだけで、どうしろとも言わない。
日頃いろいろ思っていることが、この本には書かれていて、爽快だった。
そうだ、そうだと思って読んだ。
コロナワクチンに関する話もあるし、コロナ禍の政府の対応にも苦言を呈している。
そういう意味で、とても面白い本でした。