『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』原田ひ香

麦二郎
麦二郎
2023年11月6日

No.1813 2023年11月4日読了

原田ひ香作品、連続読みです。
『老人ホテル』もこの本も、図書館で借りたものなので、返却のため優先して読んだのでした。
直近の新刊は、出たら買って読もうと思っているのですが、新刊の時に読み損ねた本は図書館で借りて読むことにしました。

6つの話が収録されている短編小説集でした。
母親からの小包がモチーフになっています。一つだけそうでないのも混ざっていますが。
ありそうな話と、ありそうなエピソードばかりだと思いますが、そういう話が原田ひ香作品の面白いところなのかも知れません。
想像を絶するあり得ない話ではなく、身近だということ。
そして、それが現実だと嫌だなと思う気持ちになります。

親から離れて暮らしたいという思いから、上京した娘と母親の関係性。
父親と離婚し、キャリアウーマンとなった母親。そうはなりたくないと思っている娘。
ひどい母親だということを彼氏には隠しておきたいと思い、農家からの小包を実家からだと偽る娘。
農家の母親が営む農作物の小包サービスを、突然実家に帰った娘が手伝う話。
母親は亡くなり、父親も亡くなってしまった息子が、ずっと父親に届いていた女性からの小包の謎を解く。
再婚した母親が急逝し、葬儀が終わった後に届いた小包と娘の話。

こんな6つの話で、いろんな親と子の関係性やそれぞれの人生を描いています。
特に最初の話は、自分にもそういうところがあったような、何だか懐かしいような気持ちになって読みました。
中には意外な展開だったものも。
それぞれの話にそれぞれの面白さがあると思いました。

これで原田ひ香さんの本は、何冊目なんだろう。
でも、まだ読みたい原田ひ香さんの本が控えています。

麦二郎

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