『サンドの女 三人屋』原田ひ香

No.1762 2023年4月5日読了

今月2冊目の読了本。
連続して原田ひ香作品でした。
シリーズ最初の『三人屋』では、三女の朝日が喫茶店、次女のまひるが讃岐うどん屋、長女の夜月がスナックを営んでいた。朝昼夜交代で、父親から譲り受けた店で。
「シリーズ」と書いてしまったが、次回があるのかどうかは不明だったりする。
この『サンドの女 三人屋』は、2021年2月に出版されていて、割と新しい。
続編は今年かも知れないし、ずっと先かも知れないし、これで終わりかも知れない。

この本の中身

お店の経営形態は、ちょっと変わっていた。
三女の朝日が就職したため、次女が朝から昼にかけてサンドイッチを販売しているという形態へ。
長女は相変わらず夜のスナックを営む。

このスナックに集う男たちがむしろ主人公のように描かれている。
6人の男性達の人生が描かれていたりするから、三人姉妹はちょっと脇役へ退いている感じ。
『三人屋』はかなり前に読んだので、記憶は薄れているものの、あくまでも三人姉妹が主人公のような印象だった筈。
でも、完全な脇役でも無く、それぞれが際立っている部分だってある。

一概には言えない部分もあるが、ざっくり言うと6人の男性達が三女のいずれかと絡む形になっていて、その絡み方によって人間ドラマが描かれている。
通して書かれているのは、長女の夜月だったりする。
一時期身を隠していて、謎めいた部分もある。

原田ひ香さんの小説の特徴かも知れないけれど、ちょっとした秘密があって、それが最後に明かされる形になる。
ミステリーと言うほどではなく、ほんのちょっとした秘密だ。

これから…

まだまだ、原田ひ香作品は読みたいと思っている。
何だったら、これから出版される作品は、発売されてすぐ買いたいと思っている。
原田ひ香作品は、この本で10冊目になる。
ちなみに、僕が読んだ作家さんの中では、ベスト20に入る。
まだまだ、これから伸びて、上位に進んで行くだろう。
新作が楽しみな作家さん。

麦二郎

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