『月曜日の抹茶カフェ』青山美智子

麦二郎
麦二郎

No.1642 2021年10月1日読了

8月に文庫本を読んだ『木曜日にはココアを』の続編にあたる本のようです。
確かに前作の登場人物が出てきます。前作同様「マーブル・カフェ」という喫茶店を舞台にした物語ですから、当然と言えば当然かも知れません。「マーブル・カフェ」の定休日に抹茶を出す「抹茶カフェ」なのですから。

前作も同様でしたが、とても短い20ページ弱の短編で構成されています。
主人公は短編毎に変わりますが、前の短編に登場した人が次の短編で主人公になる、みたいな緩い繫がり方をしています。12か月それぞれの月という設定で1年間ぐるりと回って、元の話に戻るようなスタイルです。

ついていないと思っている携帯電話ショップの店員に始まり、妻を怒らせてしまった夫、ランジェリーショップの経営者、シンガーだったり、紙芝居師だったり、その紙芝居師の祖母、猫、脱サラして古本屋を営む夫など、11人と1匹が主人公です。
最後は、京都の老舗茶問屋主の息子が主人公。この人物は最初の短編に登場するので、そういう意味ではぐるっと回っている感じなのです。

いずれにしても、全ての短編はほっこりする温かい話ばかりで、登場人物に悪人はいない。
青山美智子ファンの読書メーターの書評を読ませていただくと、どうやらこれまでの作品に登場した人達もこの短編集に登場しているらしい。
そう言う意味では、これまでの青山美智子作品を読んだ上で、この短編集を再読するとまた違った面白さがあるのかも知れません。

麦二郎

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