『楽園の真下』荻原浩

No.1624 2021年8月7日読了 本の帯に「読み始めたらとまらない、サイエンスサスペンス長編」と書かれていましたが、そのとおりでした。何となくこの3連休は毎日1冊ずつ本を読もうと決めていて、初日にこの470ページ程度ある分厚い本が読めるかどうか、自分でも自信が無かったのですが、一気に読んでしまいました。それだけ面白い小説でした。こんな小説も書けるのかと、荻原浩さんの抽斗の多さには驚くばかりです。 とある「日本でいちばん天国に近い島」で、原因不明の自殺者が多発していて、主人公のフリーライターが取材に訪れるところから、物語は始まります。その原因は自然豊かなこの島で、ある生き物が急激な進化を遂[…]
麦二郎
2年前

『「10年後の自分」を支える83の戦略 知的生活の設計』堀正岳

No.1623 2021年8月6日読了 この本は、7つのセクションに分かれています。まず一番目は、そもそも「知的生活とはなにか」と言うこと。ざっくりと言うと、インプットを集めてアウトプットを発信して行く生活のことだと思います。要するに本を読むだけではなく、読んで知ったり、学んだことを、ブログやSNSなどの色々なメディアを使って発信することまでのことです。 二番目は、知的積み上げの習慣について。いろいろなインプットやインプットした情報の積み上げ方について書かれています。1冊の本を読み、その情報を発信するのではなく、あるジャンルの本を複数読んでいろいろな情報を積み上げた上で発信する、そのようなこと[…]
麦二郎
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『スモールワールズ』一穂ミチ

No.1622 2021年8月4日読了 このところビジネス本中心の読書でしたが、この前に久しぶりに小説を読んで、小説が読みたくなりました。本屋さんで見かけて気になっていたこの『スモールワールズ』を読むことにしました。読み始めたのは、昨日から。通勤の往復で読みました。 6つの短編によって構成されている短編集です。6つの話は別々の話です。ある夫婦と少年の話に始まり、姉弟、母と娘の家族、加害者と被害者の妹、父と子、先輩と後輩の6つの物語です。それぞれにとても面白く、面白さはそれぞれ違っていて、中にはいろんな意味で怖い話もあります。心温まる話もあれば、ミステリアスな物語もあり、それぞれが違った味わいの[…]
麦二郎
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『木曜日にはココアを』青山美智子

No.1621 2021年8月2日読了 200ページくらいの文庫本なんですが、12の短編が収録されています。順番に主人公が変わりながら、物語が続いて行く形式の短編集です。ぐるりと回ったら、戻ってきます。とても面白くて、読み易くて、1日で一気に読んでしまいました。 青山美智子さんの本は、『お探し物は図書室まで』を5月頃読みました。この本も面白かったのですが、読みやすさから言うと、『木曜日にはココアを』に軍配が上がります。『木曜日にはココアを』がデビュー作のようです。 物語の舞台は、日本からオーストラリアへと移ります。著者の経歴を見ていたら、シドニーの日系新聞社の記者をされていた方でした。今は積読[…]
麦二郎
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『超リテラシー大全』

No.1620 2021年8月1日読了 「リテラシーとは」で検索してみると、いろいろ出てきます。「○○リテラシー」と「リテラシー」の前にいろいろな分野を表す言葉がくっついて1つの意味になっていることが多いようです。要するに○○に関する情報を収集して、その情報を活用することができる能力のことのようです。 この本は、この「○○」別に章立てされています。お金、仕事、IT、住まい、法律、セキュリティ、医療、介護、防災の9つです。そうだったんだと気付くものもあったり、なるほど大切な情報だと思うものもあります。私の年齢では転職に関するリテラシーは必要ない気がしますが、どのリテラシーも大切なものだと思いまし[…]
麦二郎
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『コンサルタント的省力説明力』小早川鳳明

No.1619 2021年7月30日読了 余談から入りますが、今月後半は良く読書をしました。特に四連休は、毎日のように本を読むことができて、久々の充実感を味わうことができました。このペースで行くと、来月はかなり読めるのではないかと思っています。上昇気流に乗れそうな気がしています。そして、積読本をかなり減らしたいと思っています。 ロジックツリーやSWOT分析について、とてもわかりやすく解説された本だと思いました。プレゼン資料の作り方も、大変参考になります。惜しむべきはサイズが新書で、PowerPointの1ページの内容が非常に見づらいのです。モノクロの図しか無いのが、わかりにくく感じました。説明[…]
麦二郎
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『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』

No.1618 2021年7月30日読了 いつから読み始めたか、忘れました。この手の本、つまり1日1ページみたいな本ですが、結構見かけます。教養が身に付く本だったり、最近良く出版されている気がします。1日1ページで1年と言うのは、結構きついと思います。1年間毎日読み続けて、1冊読めるのです。せっかちな私としては、読む自信がありません。なので、今回は1日6ページを目安に読みました。いつから読み始めたか、忘れてしまったのですが、多分3か月弱で読み終えることができました。 365話ありますから、それを一括りで言うのは難しいです。敢えて一括りで言うと、世の中でそれなりの仕事をした方は、どなたも命がけだ[…]
麦二郎
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『二度寝で番茶』木皿泉

No.1617 2021年7月28日読了 巻頭には、高山なおみさんの料理の写真とエッセイのコラボがあり、その後は対話形式のエッセイが続きます。正直なところ対談を読むのは、何故か好きじゃないので、先入観がありました。でも、見事に打ち砕かれました。 面白い、のひと言でした。世の中の出来事などに対する木皿泉さんの発言が、とても面白かったのです。ぐっさり行く毒舌っぽい語り口も良かったと思います。 中身を見ずに買ってしまった本で、届いて捲ってみて対話形式だったので、読むのをちょっと躊躇っていました。でも、予想は裏切られてしまいました。読み易くてサラサラ読めてしまいます。あっけないくらいに読了できた感じで[…]
麦二郎
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『「超」メモ革命』野口悠紀雄

No.1616 2021年7月25日読了 勝手に勘違いして買ってしまいました。この本がメモ術の本かと勘違いしたまま。つまりメモの取り方の本だと思ったと言うことです。でも、表紙を見ればそうではないことがわかった筈です。「クラウドにアーカイブを作って、その便利さを体験しよう!」とあります。そうなんです。この本はメモをすばやく引き出せるようにする整理術と言った方が良い内容の本でした。著者は紙ベースのファイルを「押し出しファイリング」という発想で整理し、すぐに取り出せるようにした方でした。 メモなどの写真を含めた広い意味のメモについて、クラウドを活用し、Googleドキュメントを使って行う目的のメモの[…]
麦二郎
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『サクッとわかるビジネス教養 地政学』奥山真司(監修)

No.1615 2021年7月24日読了 今月は読書が好調です。意識的に読書の時間を取ることができているからだと思います。特に休日はそうです。この時間帯は読書をしようと決めて、予定どおり実行することで、本を読むことができています。休日は何となくだらだらと過ごすことが多いのですが、コロナ禍でまん延防止措置対象になったのを機会に、意識的に読書時間を取ってみることにしたのです。読みことができると、相乗効果でしょうか、もっと読みたくなります。沢山ある積読本を10月中には0にしようと決意したことも、読書に対するモチベーションを上げることができたようです。「読書は量ではなく、質」なんですが、どうやら目標の[…]
麦二郎
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『学び効率が最大化する インプット大全』樺沢紫苑

No.1614 2021年7月23日読了 読むことや聴くこと、観ること、インターネットでの情報収集、学ぶことなどによってインプットされた情報を知識に変えるためにどうすれば良いかというノウハウが大全として纏められています。 個人的に最も興味があったのは、やはり「読むこと」でしょうか。何かの講座を高いお金をかけて受講しようとするなら、その前に本を読んでみてステップアップして行く「学びのステップ」について最初に触れられています。次に沢山の本を読むよりも、月3冊くらい読んでアウトプットした方が効率的ということ。ザル読みではなく深読、ホームラン本(当たりの本)の選び方、先入観なしでバランス良く賛成派と反[…]
麦二郎
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『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』大野萌子

No.1613 2021年7月21日読了 第1章から第15章にシチュエーション毎に分かれていて、「よけいなひと言」と「好かれるひと言」の対比を解説している本です。全部で141のひと言があって、一つ一つなるほどと思いました。中には「よけいなひと言」ではなく、ハラスメントになってしまうような「NGワード」もありました。 シチュエーションは、挨拶・社交辞令やお願いごと、断り方、気遣い、ほめ方、返事、自己主張、注意・叱り方、他人との距離、聞き方、謝罪の仕方、SNS・メール、マイナス意見、子育て、ハラスメントになりやすいNGワードです。 要するに相手の立場に立てていない「よけいなひと言」を相手の側に立っ[…]
麦二郎
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『カメラじゃなく、写真の話をしよう』嵐山大志

No.1612 2021年7月19日読了 タイトルに惹かれて買いました。それと、パラパラと捲って見えた写真にも、惹かれました。写真に関する多くの書籍は、カメラのことについて書かれているそうです。かなり前に買った写真の本を眺めてみると、確かに「絞りとシャッタースピードをマスターできる」とあります。ISO感度、露出、ぼけ、ピント、ぶれ、マクロレンズ、…などなど。 カメラの操作により、こんな写真を撮ることができる、みたいな内容です。この本に書かれているように、写真を撮る前にテーマを決めるとか、何が撮りたいとか、どんな写真を撮りたいとか、どんなことを表現したいとか、そういうことは書かれていないのです。[…]
麦二郎
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『頭を「からっぽ」にするレッスン』アンディ・プディコム

No.1611 2021年7月18日読了 マインドフルネスとは瞑想することなんだろうと思っていたのですが、この本を読んで誤解していることに気付きました。瞑想という手段を通じてマインドフルネスを実現するという位置づけの違いです。この本を読んで、最も納得できたのは、「マインドフルネスとは、今ここに在ること、自分が今どこにいて何をしているかを意識すること」ということです。今この一瞬の自分自身に集中することができるようになることが、マインドフルネスということだと思います。 この本は、8つの章に分かれています。最初の章は、「からっぽ」を知ることから始めます。次の第2章では、10分間瞑想をはじめる前に知っ[…]
麦二郎
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『COMIX家族でできる7つの習慣』フランクリン・コヴィージャパン監修

No.1610 2021年7月9日読了 ビジネス書のかなり難しかったりボリュームのあるものを漫画と短い文章で解説している本は、結構売れているようです。とっつき易いのと、簡単に読めて概要を理解することができる点は、とても良いと思います。『7つの習慣』自体はかなりシンプルな理論によって成り立っている気がしますが、それを隅から隅まで理解すると言うことは、結構ハードルが高いと感じます。自分の中で十分に消化しないと、実践はとても難しい気がします。 この本を読んでみて、なるほどと思いました。こういうことなんだと思います。簡単に言えば、「7つの習慣」ってこういうことだったのだと思います。基本的には何も難しく[…]
麦二郎
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『見るだけでわかる!ビジネス書図鑑』グロービス著

No.1609 2021年7月7日読了 図鑑と言うくらいですから、イラストや図が多いです。ビジネス書1冊あたりを6ページで解説しているので、かなり圧縮された内容です。たっぷりページを割いていると、わかりにくくなるのではないかと思いますので、これくらい思い切ってサマった方が良いと思います。取り上げているビジネス書ですが、かなり中身のあるボリューミーなものが多いと思います。 当然なのですが、この本を読んだだけで、取り上げられているビジネス書を読んだのと同じにはなりません。飽くまでもビジネス書を読む前の参考とされるのが良いと思います。私がこの本を買った頃は、この本を読んでみて、さらに読みたいと思うビ[…]
麦二郎
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『ひとり暮らし月15万円以下で毎日楽しく暮らす』

No.1608 2021年7月1日読了 少ないお金で充実した生活をすることが共通のテーマでしょうか。ブロガー、インスタグラマー、ユーチューバーの女性7人の暮らしが紹介されている本です。共通点は、女性でひとり暮らしであることや月の生活費が15万円以下であることでしょうか。中には10万円以下の方もいらっしゃいますが、10万円から15万円です。賃貸住宅で家賃込みの生活費という方が多いですし、食費はだいたい月1万円から2万円くらいと、びっくりするほどお金がかかっていません。 どうやって節約しているかを知りたいと思っていたのですが、この本はそこまで細かいことは書かれていません。皆さんそれぞれ何らかの理由[…]
麦二郎
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『ラクしてうまくいく生き方』ひろゆき

No.1607 2021年6月28日読了 気持ちをもっと楽にしたい、何となく自ら背負っている重い荷物を降ろしたい、そう言う心境だったに違いありません。この本を本屋さんで手に取った時のことです。だから、私がその時求めていたのは、もう少し精神的な側面からの本だったようです。 この本は、世の中のちょっと疲れそうな事柄に関するラクな考え方を説いている本だと思います。自分の行動やお金の使い方、人間関係、働き方、心の持ちようの5つの章に分かれています。かなり具体的なコツから、考え方のような抽象的なコツまで、100個のコツが書かれています。「なるほど」と思うことも多々あります。そういう考え方も良いかなと思う[…]
麦二郎
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『養老先生、病院へ行く』養老孟司・中川恵一

No.1606 2021年6月24日読了 専門は解剖学ではあるけれど、医師である養老先生が、医療と距離を置いている理由に興味がありました。そして愛猫のまるが亡くなったことも綴られていること、養老先生自身の生死に関わる大病の話、この本を本屋さんで見かけた時、読んでみたいと思い迷わず買ったのです。 多分4年前くらいに、かなりのストレスを抱えて仕事をしていました。仕事の事情もあって、大酒を飲む機会も増え、その時の健康診断で引っかかりました。血糖値でした。HbA1cの数値が範囲を割と大きくはみ出してしまって、医者へ行くように指示されました。糖尿病は怖い病気だということを知っていましたから、すぐに通院を[…]
麦二郎
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『図解モチベーション大百科』池田貴将編著

No.1605 2021年6月23日読了 CHAPTER1からCHAPTER7までの七つの章に分かれています。順番に「動機づけ」のモデルケースから始まり、人材育成、目標設定、意思決定、人脈作り、自己管理、発想転換と続きます。 例えば、とあるコーヒーショップで配っているスタンプカードがあります。Aパターンは10杯コーヒーを飲むと1杯無料になるという10個のスタンプを押せるようになったカードです。Bパターンは12杯飲むと1杯無料になるカードで、最初の2杯まではスタンプが押された状態のものです。実験結果によると、Bパターンの方がはるかに多く無料のコーヒーを手に入れたそうです。つまり、ゴールに近づくに[…]
麦二郎
2年前