『お探し物は図書室まで』青山美智子

No.1600 2021年5月5日読了

仕事のこと、つまり人生について、迷っている主人公が、ふとしたことでとあるコミュニティハウスの図書室を訪れます。そこで小町さんという司書から、おすすめの本を教わります。本の付録として羊毛フェルトを受け取ります。
収録されている5つの物語に共通していることです。

何となく就職した朋香さんは、婦人服販売員です。何となく就職したと思っているので、仕事にうまく向き合えないようです。
家具メーカー経理部に勤める諒さんは、アンティーク雑貨屋を夢見ていますが、遠い夢でしかないと思っています。
元雑誌編集者の夏美さんは、育児のために編集の仕事を外され、悶々と仕事をしています。
浩弥は、イラストレーターを目指したのですが、挫折して今はニートです。
そして42年間勤めた会社を定年退職した正雄さんは、無趣味で時間を持て余します。

私に最も近いのは、最後の正雄さんの物語です。
でも、まだ定年退職しているわけではありませんが、とても身近な問題として、一気読みしました。
この本を読んで、ちょっとした気付きがありました。
仕事とか、人生をいつも真正面からそこだけ見ていると、どうしても視野が狭くなってしまうようです。
見方を変えたり、視野を広げたり、時には第三者の目線で見た方が良いのかも知れません。
そんな気付きでした。ちょっとしたことですが、この本を読まないと気付かなかったかも知れません。

本は、やっぱり出会いなんだと思います。
偶然に手に取って、それをレジまで持って行く、そうした偶然が楽しいのです。

麦二郎

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