『FACTFULNESS』ハンス・ロスリング
No.1636 2021年9月12日読了
世界に対する10の思い込みが、世界の認識を誤ったものにしています。
世界の今を正しく認識しようとすると、この10の思い込みを排除しないといけません。
中には我々人類が生き残る過程で身に付けてきたものがあるがための思い込みもあるわけで、全てを排除することは容易ではないかも知れません。
10の思い込みとは、分断本能とネガティブ本能、直線本能、恐怖本能、過大視本能、パターン化本能、宿命本能、単純化本能、犯人さがし本能、焦り本能です。
全てにおいて自分に当てはまっているんじゃないか、と思ってしまいました。
一つだけ最近感じていることと通じている記述があったので、そのことについて書きます。
最近のニュース(最近だけではないかも知れませんが、最近感じるようになってきたと言う意味で)は、良く監視カメラやドライブレコーダーの映像が流されます。
あれを見ていると、車に乗るとそこらじゅうにあおり運転をする人が居るような気がしますし、窃盗犯だらけの世の中になってしまった気がします。
神社のお賽銭だったり、庭先の花だったり、高級車やバイク、車のバッテリーなど、ありとあらゆる金目の物を持ち去る窃盗犯が急増しているかのうような気がしてきます。
果たして実際に増えているのでしょうか。
検索してみると、「刑法犯犯罪認知件数と検挙率」という統計データが出てきました。
これが正しければ、犯罪件数は2002年をピークとして、徐々に減ってきているようです。
こういうのが思い込みの実例だと思います。
身近なことならまだ認識を新たにできますが、世界情勢となるとかなり以前20年前くらいから認識が変わっていない気がしました。
なるほどと思うことが多々書かれている素晴らしい本でした。
著者の一人のハンス・ロスリングさんは残念ながらこの本が出版される以前に亡くなられています。
続編は読めそうもないのが残念です。