エッセイ

『六十一歳、免許をとって山暮らし』平野恵理子

No.1831 2024年1月11日読了 イラストレーターの平野恵理子さんのエッセイ。『五十八歳、山の家で猫と暮らす』を読んだのは、約3年半前の2020年7月このとだった。五十八歳から六十一歳だから、だいたいそれくらいの時間が経ったことになる。だんだんと山の暮らしにも慣れ、60歳を超えて運転免許を取る話が中心になっている。 五十八歳で山の家に引っ越し、猫と一緒に暮らし始めた著者は、車も買って山暮らしを謳歌している。11の話で構成されているエッセイだけど、一つの物語のようだ。本の始まりは、まずは運転免許を取るところから。思わず自分が運転免許を取った時のことを思い出しながら、教習などのシーンを読む[…]
麦二郎
先月

『くもをさがす』西加奈子

No.1822 2023年12月23日読了 乳癌を宣告され、抗がん剤治療や乳房の摘出、放射線治療を経て回復するまでの闘病記。よく「病気と闘うのではなく、付き合う」みたいなことを書かれているものがあるが、この本の場合は闘っている気がする。 僕は大病の経験も無く、コロナ禍でもまだ罹患せずに済んでいて、血糖値がやや高い他はほぼ健康体なので、未経験の領域。それにしても、抗がん剤治療や放射線治療の副作用は、ひどいものだ。著者よりも20歳くらい年上なので、僕の場合がんになったら、積極的な治療は避けたい気がする。著者も書いているが、がんとどう闘うか、付き合うかは、個々人によって様々のようだ。がんの性質にもよ[…]
麦二郎
2ヶ月前

『私の中を整理する片づけ』ミニマリストますみ

No.1805 2023年10月3日読了 断捨離とか、片づけとかしたいと思っていて、なかなか実行できないものだから、この本に惹かれました。惹かれた理由は、もう一つ。サブタイトルにあった「余白」というキーワードです。サブタイトルは、『幸せがおとずれる「余白」の作り方』でした。 心には「余白」つまりある程度の「余裕」が必要だと思っています。生活空間にも「余白」が必要だと思っています。手帳のスケジュールページにも、「余白」が必要だと思っている人です。 この本は3つのパートに分かれています。第1章は「友に過ごしたい、持ち物。」で、第2章は「帰りたくなる、おうち」、第3章が「『適当』に、生きる」です。要[…]
麦二郎
4ヶ月前

『明日も一日きみを見てる』角田光代

No.1759 2023年3月27日読了 角田光代さんのエッセイは、面白くて大好きなのだ。その上、猫の話となると、我が家にも猫がいるので、「うんうん、うちのもそうだ」なんて、かなり親近感を持って読むから、なおさら面白くなる。結局、この本、一気読みしてしまいました。これまでの角田さんの猫のエッセイは、全部読んでいることは言うまでもありません。 この本の内容 フォトエッセイなので、結構写真も多いです。主役のトトちゃんだけでなく、角田さんちを訪れる猫の写真も載っています。 エッセイは、24話と言うか、24作と言うか、掲載されています。猫タワーの話や虫を捕る話、脱走、動物病院での絶叫、キャットフードな[…]
麦二郎
11ヶ月前

『継続するコツ』坂口恭平

No.1744 2023年2月12日読了 坂口恭平さんのことは、この本を読んで初めて知りました。『0円ハウス』という路上生活者のハウスの写真集を刊行したり、「いのっちの電話」として自身の携帯電話を公表して、年間1万人を超える「死にたい人」の声を聞いている方です。この本の中でも触れられています。 実はこの本を「自己啓発本」かなと思って、買ってしまいました。要するに物事を継続できるようになるノウハウが書かれているのかと思ったわけです。内容はちょっと違っていて、これは「エッセイ」に近い本なのかなと、読んでみて思いました。坂口さんがずっと継続していることは、要するにやりたいことであり、好きなことであり[…]
麦二郎
去年

『「忘れる」力』外山滋比古

No.1692 2022年5月29日読了 この本を買ったのは、東京駅構内の本屋さんでした。その時僕の頭の中には「忘れる」というキーワードがあって、この本はそういうタイミングにぴったりの本でした。 しかし、往々にして期待は外れるものであって、じっくり読んでみると、「忘れる」ことがテーマになっているエッセイは1編のみでした。そして、本のタイトルがその本の全てを表しているものではないということを、体験するに至ったのでした。 この本は、「創るチカラ」と「ことばの旅」、「あたまの散歩道」の3つのパートに分かれていて、数ページのエッセイが27編収録されています。「忘れる」ことに関しては、3番目の「あたまの[…]
麦二郎
去年

『針と糸』小川糸

No.1686 2022年4月17日読了 毎日新聞に連載されたエッセイ集。エッセイというのは、好きなエッセイストさんや小説家さんのものでないと、なかなか読まない。小説家によってはエッセイは滅多に書かない方もいるので、好きな作家でもエッセイは読めない方もいるってことだ。当たり前だけど。比較的良く読んでいるのは、角田光代さん、小川糸さんのお二人かも知れない。他にも読んでいたりするが、エッセイ集そのものが少ない作家さんが多い。 これまで小川糸さんのエッセイ集は、日記形式のエッセイ集を良く読んでいたと思う。このエッセイ集は日記形式のものではなく、そういう意味では新鮮な気持ちで読んだ。小川糸さんと言えば[…]
麦二郎
去年

『ここじゃない世界に行きたかった』塩谷舞

No.1674 2022年2月11日読了 塩谷さんのnoteの定期購読月500円の「視点」という読み物が元となっている本です。2021年2月に文藝春秋社から発売された本です。ちょうど1年前のことですね。僕もnoteは登録していて、何か文章を書いてみたいと思っているのですが、今はまだ書けていません。そのnoteでこの本のことを知り、noteで塩谷舞さんが人気のライターの一人ということを知り、この本に興味を持ちました。 Amazonですぐに手に入るのですが、実際に本を手にとって、少し捲ってみてから買うかどうか決めたい、そう思っていました。丸の内の丸善本店へ行き、端末で在庫を検索して、1冊だけあるの[…]
麦二郎
2年前

『ラオスにいったい何があるというんですか?』村上春樹

No.1640 2021年9月28日読了 11編の紀行文を集めた紀行文集。タイトルはラオスのルアンプラバンに向かう途中で、ベトナムで言われた言葉からつけているようです。確かにこの文章を読むまでは、ラオスが東南アジアのどの辺りにあるか、ラオスにどんな有名な観光地や歴史遺産などがあるかについては、僕も全く知りませんでした。検索してみると、とても魅力的な風景写真が出てきて、そういうところだったのか、と感心した次第です。 ラオス以外の紀行文は、アメリカのボストン(2編)や二つのポートランド、ニューヨークについての紀行文や、ギリシャのミコノス島とスペッツェス島、フィンランド、イタリアのトスカナ、そして日[…]
麦二郎
2年前

『二度寝で番茶』木皿泉

No.1617 2021年7月28日読了 巻頭には、高山なおみさんの料理の写真とエッセイのコラボがあり、その後は対話形式のエッセイが続きます。正直なところ対談を読むのは、何故か好きじゃないので、先入観がありました。でも、見事に打ち砕かれました。 面白い、のひと言でした。世の中の出来事などに対する木皿泉さんの発言が、とても面白かったのです。ぐっさり行く毒舌っぽい語り口も良かったと思います。 中身を見ずに買ってしまった本で、届いて捲ってみて対話形式だったので、読むのをちょっと躊躇っていました。でも、予想は裏切られてしまいました。読み易くてサラサラ読めてしまいます。あっけないくらいに読了できた感じで[…]
麦二郎
2年前

『ラクしてうまくいく生き方』ひろゆき

No.1607 2021年6月28日読了 気持ちをもっと楽にしたい、何となく自ら背負っている重い荷物を降ろしたい、そう言う心境だったに違いありません。この本を本屋さんで手に取った時のことです。だから、私がその時求めていたのは、もう少し精神的な側面からの本だったようです。 この本は、世の中のちょっと疲れそうな事柄に関するラクな考え方を説いている本だと思います。自分の行動やお金の使い方、人間関係、働き方、心の持ちようの5つの章に分かれています。かなり具体的なコツから、考え方のような抽象的なコツまで、100個のコツが書かれています。「なるほど」と思うことも多々あります。そういう考え方も良いかなと思う[…]
麦二郎
2年前

『養老先生、病院へ行く』養老孟司・中川恵一

No.1606 2021年6月24日読了 専門は解剖学ではあるけれど、医師である養老先生が、医療と距離を置いている理由に興味がありました。そして愛猫のまるが亡くなったことも綴られていること、養老先生自身の生死に関わる大病の話、この本を本屋さんで見かけた時、読んでみたいと思い迷わず買ったのです。 多分4年前くらいに、かなりのストレスを抱えて仕事をしていました。仕事の事情もあって、大酒を飲む機会も増え、その時の健康診断で引っかかりました。血糖値でした。HbA1cの数値が範囲を割と大きくはみ出してしまって、医者へ行くように指示されました。糖尿病は怖い病気だということを知っていましたから、すぐに通院を[…]
麦二郎
2年前