『彼女の家計簿』原田ひ香

麦二郎
麦二郎

No.1806 2023年10月5日読了

原田ひ香さんの小説は、タイトルや本の装丁から想像すると、もっと軽くて楽しい小説だという印象。
つまり、思ったより重いテーマで書かれている小説だということですが、想像と違っていても最後まで読ませる筆力があるのでしょう。
この本も主人公の女性が家計簿をつけながら、楽しい家庭を築いて行く物語、みたいな想像でした。

シングルマザーの里里が主人公。
母親とは関係が良く無くて、疎遠になっている。
そんな時疎遠な母親からぶ厚い封書が届き、その中には五十鈴加寿という女性がつけていた家計簿兼日記が入っていた。
物語は、家計簿に書かれた日記と里里のことが並行して描かれています。

家族関係の良くない主人公だったり、忘れることができない過去を抱えて生きている人だったり、背負っているものが重過ぎると思ってしまうのですが、面白くて最後まで読んでしまいます。
前半はゆっくり読んでいましたが、後半は一気読み。
次のページを早く捲りたくなります。

このところ、原田ひ香さんの本をかなり読んでいます。
決して飽きないことからも、僕にとっては好きな作家さんだと言えるのでしょう。
この後もまだまだ読みます。

麦二郎

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