『優しい死神の飼い方』知念実希人

麦二郎
麦二郎

No.1773 2023年5月14日読了

この本を買ったのは、タイトルに興味を覚えたからと言うことと、知念実希人さんの名前は知っていたけれど、まだ一度も読んだことが無かったから。
ネットで調べてみると、この本は「死神シリーズ」の最初の作品で、次が『黒猫の小夜曲』、最新作は『死神と天使の円舞曲』と、3作品があるらしい。
他のシリーズは、「天久鷹央の推理カルテシリーズ」や「病棟シリーズ」など。

この本も病院を舞台としている作品だけど、著者はお医者さんなので頷ける。
どうやら作家がメインでお医者さんは副業みたいなのだけど。

内容

少々ネタバレなので、予めお断りしておきます。
この物語は、犬の姿で降臨した死神が、過去に殺人事件が起きた古い洋館で営まれている病院で飼われることになる。
その病院はホスピスであり、余命僅かな患者が少数入院している。
入院患者達は、この世に未練を残していて、このまま亡くなってしまうと地縛霊となってしまう。
それを防ぐのが死神の仕事で、患者の夢の中に現れ、患者達の未練を解消して行く。

ざっと書くとこんな話なのだけど、それぞれの未練は微妙に繋がっているところが、先を読みたい気持ちを煽ってくれる。
ラストは想像できそうだけど、でもそれを確認するために、早く読みたくなる。
そういう意味では、とても面白いミステリー作品だったと思う。

僕の場合は推理小説的なミステリーはあまり好まないけれど、こういう小説なら楽しく読める。
つまり殺人犯は誰かとか、そういうことを考えるのは苦手と言うこと。
この小説はアプローチがそういう推理小説とは違っていると思われるから、最後まで楽しく読めたのかも知れません。
或いは、死神かつ犬の姿ということも、現実感からは一線を画しているので、良かったのかも知れません。

これから…

さて、「死神シリーズ」の続編を読むかどうかは、決まっていません。
他のシリーズは、今のところ読みたい気にはなっていませんが、知念実希人作品を一つだけしか読まないという選択も無い気がしています。

いずれにしても、今は時々順番が回ってくる図書館の予約本と本棚の積読本を片づけることに集中したいので、もう少し時間を置いてもう一つ読むことになると思います。
同じシリーズか、それとも別のシリーズかは、その時の気持ちに任せておきましょう。

麦二郎

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