町田そのこ

『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ

No.1604 2021年6月20日読了 虐待を受けた子供の声を、仲間達には決して聞こえない52ヘルツの声になぞらえて書かれている物語です。主人公は、虐待を受けて育った女性で、虐待から救われた以降も決して人生は好転していません。友だちには恵まれているものの、アドバイスが耳に入らず目の前の幸せにしがみつこうとして、返って傷付いてしまいます。時折その回想が入ります。 主人公はある日少年と出会います。その少年も虐待を受けています。虐待のために声が出ません。ただし、主人公には聞こえるようです。誰も聞こえない52ヘルツの声が聞こえるのです。主人公はその少年を救おうとします。かつて自分が救われたように。 […]
麦二郎
2年前