本屋さんで、何となくこれまで読んだことのない作家の作品を読んでみようかなと、この本を手に取りほぼ即決で買ったのでした。
「みずいらず」の意味をAIに訊いてみました。
家族や夫婦、親しい友人など、内輪の親しい者だけで集まり、他人を交えない状態を指します。
というのが答えでした。
この本は連作短編集で、短編のほとんどが夫婦のドラマなのです。
染井為人さんって、他にどんな作品があるのだろう。
読み終えてから、検索してみました。
どうやらミステリー作品ばかりみたいです。
とてもこの本を書きそうに無い感じがします。
この本に収録されている短編は、ほとんど夫婦のドラマで、かつちょっとした問題を抱えています。
再婚して二人の子供が生まれたけど、夫が連れ子に冷たい気がしてならない妻。
不妊治療を受けようとする夫は、まったく自分に自信が無い気弱な人。
妻から離婚を切り出された夫は、プライドが邪魔して本音を出せない人。
定年退職後の夫に鬱憤が貯まった妻。
新婚夫婦の夫が陥った、ちょっとした疑問。
引きこもりの夫を持つカウンセラーの妻。
突然家事をしなくなった更年期の妻。
夫の終活に付き合わされて、うんざりする妻。
そして、最後は独身貴族の作家の物語。おやっ、変だぞと思ったら…
面白いと思ったのは、どの短編にも、ちょっとしたオチがあること。
そしてそれが、前向きなオチだということ。
書けなくなったミステリー作家が、突然編集者にこう言ったこと。
「どれも心が温かくなるような感じにしたいのさ」
No.2045 2026年3月8日
