主人公の津麦は、5年間大手商社に勤めて退職し、3か月前から家事代行サービス会社で働くようになったという設定。
津麦が毎週1回通うことになったのは、妻に先立たれ、夫一人で子供5人を育てている織野家でした。
何でも自分でやろうと頑張るシングルファーザーとそれを何とか力になりたいと思い、奮闘する津麦が描かれています。
この小説は、noteから生まれたもので、そう言えば最近読んだエッセイもnoteから生まれているもので、noteはそういう場になんだということも興味深いことでした。
素人が書いた小説という眼で読み始めましたが、思っていた以上に面白い本でした。
何かの書評を見て買った本だったのですが、その書評がどの雑誌だったかは、すっかり忘れてしまっています。
良いきっかけをいただいたと思っているので、これからも新聞や雑誌の書評は読みたいと思っているところです。
どんなところが面白かったかと言うと、例えばこういうところです。
折野家の主は、イヤイヤ家事代行に依頼したのですが、津麦の努力によって徐々に信頼感が増していきます。
つまり、良い方向へ向かっていく明るい小説ということです。
それと合わせて、津麦自身も商社退職による心の傷が癒されていきます。
社会復帰の始まりとして家事代行の仕事を選んだのですが、徐々に働くことの意味を見出していくのです。
織野家を助けることによって、自分も徐々に成長していく物語というのが、非常に前向きで後味も心地よいと感じた理由です。
仕事と向き合えば、何かが得られるものなのだという気持ちになったのでした。
それにしても、タイトルの「クリームイエローの海」が何を指しているのか、読み始めるとすぐに分かるのですけど、そういうことかという面白さもありました。
No.23 2026年3月1日
