積読を乗り越え、いざ長編の世界へ
大好きな作家、奥田英朗さんの新刊はいつも心待ちにしていますが、今回の超長編には、書店で手に取るのを一瞬躊躇してしまいました。その圧倒的な分厚さと「第一部」という文字に、読了への不安を感じたからです。
しかし、やはり読みたい気持ちには勝てず、全三巻が揃ったタイミングで「集中して読み切る」という計画を立てました。他の本との並行読書を控え、1週間のうち5日間、1日の目標ページ数を決めて真摯に向き合うことにしたのです。

時代に翻弄される四人の親たち
物語は、わずか7日間しかなかった「昭和元年」に生まれた4人の子供たちの誕生から始まります。
第一部で描かれるのは、子供たちの視点ではなく、その親たちの生き様です。リベラルな軍人、金沢の任侠、婦人運動家、そして大連の興行師。職業も信念も異なる彼らが、昭和の激動と太平洋戦争開戦という濁流の中で、ある者は抗い、ある者は流れに身を任せながら懸命に生きる姿が重厚に描き出されています。
不安が期待に変わる読書体験
最初は長さに圧倒されていましたが、読み進めるうちに物語の力強さと面白さに引き込まれ、目標を大きく上回るペースで第一部を読み終えることができました。
終盤、少年へと成長した子供たちが今後どのような人生を歩むのか。その行方を見届けたいという一心で、すでに第二部のページを捲っています。
超長編への不安はいつの間にか消え去り、今は次なる展開への期待で胸がいっぱいです。
No.2029 2026年1月17日