窪美澄

『夜空に浮かぶ欠けた月たち』窪美澄

No.1785 2023年6月28日読了 先日窪美澄さんの『夜に星を放つ』を読んで、非常に良かった印象があるので、この本が出版されていることを知り、さっそく買って読むことにしました。タイトルも「夜」が共通で「月」と「星」が似通っています。短編集なのも共通していますが、こちらの方がもっと繋がって、一つの物語になっていました。 6つの短編と短いエピローグで構成されています。6つの短編の共通点は、喫茶店と「椎木メンタルクリニック」で、内容的には心を病んだ人達が主人公と言うことです。「病んだ」と言う言葉は適切ではないかも知れません。傷付き、心の風邪を引いてしまった人達を癒やし、そして自ら再生して行く物[…]
麦二郎
10ヶ月前

『夜に星を放つ』窪美澄

No.1769 2023年5月2日読了 窪美澄さんの本は、この本で8作目になる。初めて読んだのは、話題にもなった『ふがいない僕は空を見た』で、その後は出版された順番ではなく、ランダムに読んだ記憶がある。結構重いテーマを扱った作品が多く、全体的なイメージとしては、あまり明るい作品に出会えていないイメージだ。その窪美澄さんが直木賞を受賞された作品と言うことで、期待しつつ新刊を買うこともなく、結局買いそびれてしまった感じで、図書館で予約を入れていた。出てすぐに、または直木賞受賞後すぐに買わなかった理由は、特に思い付かない。タイミングを逃してしまった感じで、それなら気長に図書館の順番待ちをするか、とい[…]
麦二郎
11ヶ月前

『よるのふくらみ』窪美澄

No.1633 2021年9月2日読了 間違い無く恋愛小説のジャンルに入るでしょうが、一つ前に読んだ『ラストレター』とは違った恋愛小説です。どこが違うのかということは、説明できないのですが、こちらは窪美澄さん的恋愛小説なんだろうと思います。 主人公は3人または4人。6つの短編と言うか、6つのパートに分かれていて、それぞれ視点が変わるという意味です。ある兄弟と幼なじみの女性が3人で、弟とからむバツイチ子持ち女性が4人目です。実際は好き合っている男女ではなく、たまたまの偶然か、神様のイタズラか、違うカップルが誕生することは現実にはあることだと思います。それにだんだんと気付き始め、どうしようもなくな[…]
麦二郎
2年前