一穂ミチ

『うたかたモザイク』一穂ミチ

No.1815 2023年11月9日読了 13編の短編小説集。数ページの短いものから、長くても40ページ弱くらいの短編小説が収録されています。最後の1作は書き下ろしで、他は雑誌やフリーペーパー、ウェブに掲載された作品を集めています。5つに分類されていて、それぞれsweet , spicy , bitter , salty , tastyという分類になっています。味そのものではなく、人生の味わいと言った感じでしょうか。どの作品も似通ってなくて、いろんな味わいがある、そんな短編集だった気がします。 特に面白かったのは、2つ。猫が出てくる短編です。一つは「レモンの目」。マンションに現れる黒猫を通じた[…]
麦二郎
4ヶ月前

『光のとこにいてね』一穂ミチ

No.1791 2023年7月17日読了 2023年本屋大賞第3位。一穂ミチさんの本は、『スモールワールズ』を2年前に初めて読み、この本が2冊目。『スモールワールズ』の後で、『砂嵐に星屑』や『パラソルでパラシュート』などが出版されて、気になっていたものの、結局読まなかった。今回は本屋大賞ノミネートと言うことで、図書館で順番待ちして読んでみました。もっと早く読みたかった、と言うのが正直なところですが、特に読む時期は本の内容とは無関係です。 この本の感想は、とても書きにくい。僕の薄っぺらい言葉で表現できるものでもないですし、この本の二人の主人公のことを理解できているかと言うとそうではないのです。描[…]
麦二郎
8ヶ月前

『スモールワールズ』一穂ミチ

No.1622 2021年8月4日読了 このところビジネス本中心の読書でしたが、この前に久しぶりに小説を読んで、小説が読みたくなりました。本屋さんで見かけて気になっていたこの『スモールワールズ』を読むことにしました。読み始めたのは、昨日から。通勤の往復で読みました。 6つの短編によって構成されている短編集です。6つの話は別々の話です。ある夫婦と少年の話に始まり、姉弟、母と娘の家族、加害者と被害者の妹、父と子、先輩と後輩の6つの物語です。それぞれにとても面白く、面白さはそれぞれ違っていて、中にはいろんな意味で怖い話もあります。心温まる話もあれば、ミステリアスな物語もあり、それぞれが違った味わいの[…]
麦二郎
2年前