『この夏の星を見る』辻村深月(KADOKAWA)

No.1868 2024年5月19日読了

読書メーターのランキング上位に登場していたこの本を本屋さんで見ていて、何度か見かけているうちに読んでみたいと思った。
きっと私の勘は当たっていると思っていたけれど、残念ながらとても面白いとは感じなかった。
でも不思議なことに、途中で読むのを止めようとは思わず、少しずつ、本当に少しずつ読み進めて、ラストの100ページくらいはスピードアップして、無事読了できた。

意外なストーリー展開も無く、人と人の出会いや繋がりを書いているけれど、個人的には奥深さを感じなかった。
星座や星の話も描かれているものの、興味をそそる内容だとは思わなかった。
ちょっと期待とは違った本だったと思う。

コロナ禍で部活も侭ならない時期に、夜空の星を手製の望遠鏡で見つける「スターキャッチコンテスト」を開催する物語。
長崎の天文台を中心とするグループや茨城県の高校、渋谷区の中学校など、中高生の繋がりによりコロナ禍のリモートでのコンテスト開催とその後までの物語である。
きっとその年代の人たちに、この小説は理解されるのだと思う。
私のような老年には、奥深い部分が無いがために、500ページ近い長編がより長く感じてしまうのかも知れない。

そう思いつつも、最後まで読むことができたのは、何らかの魅力があるのだと思うが、それは言葉では言い表せないものではないかと、振り返ってみて思った次第である。

麦二郎

コメントを残す