『ある男』平野啓一郎

麦二郎
麦二郎

No.1767 2023年4月29日読了

そんなに時間が経っていないと思っていたのだけど、著者の本を初めて読んだのは、読書記録を調べてみると2019年の秋だった。
読んだのは、『マチネの終わりに』だった。
読むのに時間がかかる長い小説だったけれど、印象は強かったと思う。今となっては、そのストーリーの詳細を思い出すことはできないけれど。

内容

小説なので、ネタバレにならない程度に書こう。
本の帯に書いているコピーだ。
「愛したはずの夫はまったくの別人だった」そう、そういう物語だ。
その謎をこの物語の主人公、弁護士の城戸が追いかける。

事件性のあるミステリー物ではなく、ある男や本人の人生を描き出している物語なのだ。
それだけだと、もっと読み易い長編小説になっていたのだろうと思う。
そこに主人公の人生も重なってくるから、話はやっかいになる。
でも、そこがこの小説の描きたいところだと思う。

文庫本で369ページくらい。
1ページを読む時間は他の本よりもかかった気がする。
この本の前に読んだ村上春樹作品と同じように。
文学的に優れた作品は、みんなそうなのかも知れないと思ったりする。

これから…

平野啓一郎さんの作品は他にどんなものがあるのだろう。
検索してみたが、結構長編が多そうだ。
文庫本も上下巻やそれ以上になっているものが多い。
次に読むとしたら、何だろう。
映画化されている作品ばかり読んでいるので、見当が付かない。

麦二郎

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