『ランチ酒 おかわり日和』原田ひ香

麦二郎
麦二郎

No.1751 2023年2月25日読了

グルメドラマと言えば、「孤独のグルメ」というイメージで、要するに美味しいお店で美味しいものを食べるだけ、そんな先入観があるかも知れません。
この小説は、おいしいランチとお酒だけの小説ではありません。
このシリーズの始まりの『ランチ酒』は残念ながらストーリーを忘れてしまいましたが、この本を読んで、一連のストーリーがある長編小説だと感じました。

この本の内容

ネタバレになるので、小説のストーリーについては詳しく書かないことにします。

主人公の犬森祥子は、「見守り屋」という変わった職業です。
そう言う意味では、原田ひ香さんの「職業小説」のジャンルにも入りそうです。
「見守り屋」というのは、何らかの事情があって、一晩一緒に居て見守るという仕事です。
変な仕事ではなく、例えば病院の付き添いができないので、短期間だけ見てもらう、そんな職業です。

犬森祥子は、バツイチで娘が元夫に引き取られていて、いつか娘と一緒に暮らせたらと思っています。
「見守り屋」の収入は多くないのです。
そして、ちょっと寂しさが漂っている人なのです。

「見守り屋」の仕事を依頼してくる人、或いは「見守る」対象の人も、やっぱり寂しい人だったりします。
つまり、この小説は人間模様を書いた小説でもあるのです。
寂しい犬森祥子の束の間の楽しみ、元気を取り戻す瞬間が、ランチタイムです。
美味しいランチとそして美味しいお酒なのです。
酒飲みの僕としては、大いに同感できる場面があるのです。

それから…

この本の人間模様、主人公と登場人物の今後について、読んでみたいと思いました。
このシリーズの最新は、『ランチ酒 今日もまんぷく』です。
2021年6月に出版されています。文庫本になるのは、もう少し先かなと思いました。
かと言って単行本を買うタイミングは逃しています。
そう、図書館があると思い、さっそく図書館で借りてきました。

さっそく3作目を読みます。
多分、今月中には読み終えるのではないかと思います。

麦二郎

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