『倒産続きの彼女』新川帆立

麦二郎
麦二郎

No.1660 2021年12月30日読了

文庫本化された『元彼の遺言状』を読み、とても面白かったので、新作も買いました。
同じ作家さんの本をあまり間を置かず読んだのは、これが初めてかも知れません。
最近で言うと青山美智子さんも立て続けに読んでいる作家さんです。僕の場合は、一度読んで良いなと思うと、同じ作家さんの作品を読もうとするところがあります。

さて前作『元彼の遺言状』の主人公は、若手の女性弁護士剣持麗子でしたが、今回の作品では同じ弁護士事務所に勤める美馬玉子が主人公です。
上司が顧問弁護士を務めるゴーラム商会が倒産の危機にさらされているのだが、その会社でコンプライアンスに関する内部通報があり、ゴーラム商会に関わることになる。
ゴーラム商会のある女性社員は、転職する度に会社が倒産するという内部通報で、その謎を解く。
前回の主役は助演に回り、でも面白い役回りをしていて、前作に続けて読んで良かったと思う。
新作から読んでも、話が続いているわけじゃないので、支障は無さそうだけど、前作を読んでいた方が登場する剣持麗子先生のキャラが自然に入って来そうだ。

ミステリーなので、ストーリーには触れないことにしていますが、前作同様読み易くて重すぎないミステリー作品に仕上がっていて、今回も面白く読むことができました。
作家の文章によっては、読みにくさを感じてしまい、それで読了まで非常に時間がかかることも、途中で挫折することもあるのですが、新川帆立さんの文章は自然に入ってきます。
ストーリーのテンポも遅過ぎず、早過ぎずという感じで、僕の好みに合っている気がします。
この次はどんな物語なんだろうかと、非常に楽しみになってきました。
新作が出るとすぐに読む作家さんの一人に加わったみたいです。

麦二郎

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