『ラオスにいったい何があるというんですか?』村上春樹
No.1640 2021年9月28日読了
11編の紀行文を集めた紀行文集。
タイトルはラオスのルアンプラバンに向かう途中で、ベトナムで言われた言葉からつけているようです。
確かにこの文章を読むまでは、ラオスが東南アジアのどの辺りにあるか、ラオスにどんな有名な観光地や歴史遺産などがあるかについては、僕も全く知りませんでした。
検索してみると、とても魅力的な風景写真が出てきて、そういうところだったのか、と感心した次第です。
ラオス以外の紀行文は、アメリカのボストン(2編)や二つのポートランド、ニューヨークについての紀行文や、ギリシャのミコノス島とスペッツェス島、フィンランド、イタリアのトスカナ、そして日本は熊本が2編となっています。
さすが村上春樹さんの文章力により、実際よりも非常に魅力的な所が沢山あるように思えます。
実際に行ってみたくなるような、旅の楽しさが伝わって来る文章です。
人の少ないフィンランドも良さそうですし、イタリアのトスカナ地方でワインを飲み歩くのも良さそうです。
コロナ禍で海外旅行は行けなくなりましたし、もうじき緊急事態宣言は解除されると言ってもなかなか遠出する勇気は出て来そうにありません。
コロナ禍ですっかり出不精になってしまい、近場でも躊躇してしまいます。
せめてこういう紀行文で旅した気分に浸るのも、良いかも知れません。
とても楽しく読めた紀行文集でした。