瀬尾まいこ

『私たちの世代は』瀬尾まいこ

No.1817 2023年11月25日読了 瀬尾まいこさんの本を初めて読んだのは、2008年11月のことでした。今から15年前ということになります。読んだのは、『天国はまだ遠く』でした。文庫本になってました。はっきりと覚えていないのですが、多分映画を観たのがきっかけだったと思います。それから、いろんな本を読み、最近では新刊が出るとすぐに読むことにしている作家さんの一人です。 コロナ禍の頃に小学三年生の二人の少女が主人公です。二人の物語と未来の話が交錯しながら始まり、良くある手法だとは思いますが、二人の物語がある時点から一つになります。瀬尾まいこさんの物語には特別な伏線やその回収というミステリー[…]
麦二郎
4ヶ月前

『夜明けのすべて』瀬尾まいこ

No.1794 2023年7月31日読了 瀬尾まいこさんの書く小説は、安心して読めるものが多い。いろんな理由で落ち込んだりしている人たちの再生の物語が多いからだろう。しかも周囲の人たちも、主人公も良い人たちばかりだ。 この物語もそうだった。この本を読んでPMS(月経前症候群)という病気を初めて知った。要するに月経前に一時的に心が乱れてしまい、苛立って抑えられなくなる。この物語の主人公の一人、藤沢さんが患っている病気である。 もう一人の主人公、山添くんが患っているのは、パニック障害。こっちの方は、聞いたことがあるが、詳しくはない。この物語を読んで、特に原因となることが無くても、そして一見明るくて[…]
麦二郎
8ヶ月前

『掬えば手には』瀬尾まいこ

No.1772 2023年5月10日読了 瀬尾まいこ作品は、結構沢山読んでいます。僕が読んだ作家さんで数的には10番目の作家さん。感覚的には女性の作家さんの本を沢山読んでいる気がしていましたが、ベスト10だけを見てみると、男女比は5対5なのでした。 瀬尾まいこ作品で初めて読んだのは、『天国はまだ遠く』で、2008年のことでした。たまたま映画も観ましたが、好きな作品です。今回読んだ『掬えば手には』で16作品目です。 作品全般で言えるのは、やさしい物語、ほっこりする物語、良い人しか出て来なくて安心して読める物語、こういうのが瀬尾まいこ作品に言える特徴なのかも知れません。文章も読み易くて、抵抗を感じ[…]
麦二郎
11ヶ月前

『夏の体温』瀬尾まいこ

No.1736 2023年1月20日読了 「夏の体温」と「魅惑の極悪人ファイル」、「花曇りの向こう」の3つの短編集。最後の短編は、特に短くて10ページ弱。 どれも「ともだち」をテーマにした作品だと思った。「夏の体温」は1か月以上入院している小学校3年生が主人公。その病院には身長が伸びない子供たちが検査入院してくる。ほとんどは主人公よりずっと年下の子たちなのだけど、ある日同学年の子が入院することに。 「魅惑の極悪人ファイル」が一番面白かった気がする。大学生の小説家が、悪い人をテーマにした小説を書こうと、「腹黒」というあだなの大学生に取材する話。主人公の小説家は女性で、「腹黒」は男性なのだけど、恋[…]
麦二郎
去年

『その扉をたたく音』瀬尾まいこ

No.1707 2022年9月2日読了 2021年2月頃に出版された本です。読み損ねていた本だったので、図書館で借りて来て読むことにしました。単行本が出版され、文庫本化されるまでの間は、図書館で借りるのが良いと気づきました。最近は、出版されてすぐに読むのは、伊坂幸太郎さんくらいです。余談はここまでにしておきます。 瀬尾まいこさんの作品は、どこかダメな主人公が出てきて、何かをきっかけに再生して行く物語が多い気がします。ここから少しネタバレを含みますが、この物語も同様です。 主人公は、29歳無職で親のすねかじりです。高校時代に始めたギターで人生を再開しようと思いつつ、そこまで真剣なのかどうか、自分[…]
麦二郎
去年

『傑作はまだ』瀬尾まいこ

No.1693 2022年6月2日読了 この本は少し気になっていた本でした。調べてみたら、2019年3月に出版されていましたから、3年経っていることになります。文庫本になっていたので、迷わず買って読むことにしました。 血の繋がった子供が突然現れる、という設定は他にも読んだことがある気がします。現実はどうかと言うことではなく、良くある話のように思えます。父親が主人公なのですが、職業は作家。何だか世の中との関係を遮断して、作品を書いているような感じがします。 半分くらい読み進めると、やはり瀬尾まいこさんの作品だと感じ始めます。とても温かい物語で、息子もその母親も素晴らしいということがわかってきます[…]
麦二郎
去年