丸山正樹

『刑事何森 逃走の行先』丸山正樹

No.1795 2023年8月8日読了 『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』のスピンオフ、刑事何森シリーズの第2弾と言うことだった。この本を先に買って、第2弾ということを知り、第1弾の『刑事何森 孤高の相貌』を図書館で借りて来て読んだのは、先月の下旬のことだった。 そしていよいよ第2弾のこの本を読了した。第1弾と同じで、3つの短編で構成されていて、「逃女」と「永遠」、「小火」の3編で構成される。 「逃女」(とうじょ)は、とある食品包装会社で起こった傷害事件が物語の発端となる。傷害事件を起こして逃亡したのはベトナム人技能実習生で、その行方を追いかける何森と荒井みゆきが行きつくのは、行き場を失った[…]
麦二郎
7ヶ月前

『刑事何森 孤高の相貌』丸山正樹

No.1792 2023年7月21日読了 『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』を読んだのは、2015年11月のことでした。単行本では『デフ・ヴォイス』というタイトルだったのが、2015年8月に文庫本化されて、『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』と改題されています。 その後2018年には、『龍の耳を君に デフ・ヴォイス新章』が出版され、2019年に『慟哭は聴こえない デフ・ヴォイス』が出版されています。この二つの作品は、文庫本化されています。そして2021年8月『わたしのいないテーブルで デフ・ヴォイス』が出版されていますので、『デフ・ヴォイス』シリーズは4冊ということになります。第2作以降はま[…]
麦二郎
8ヶ月前

『ウェルカム・ホーム!』丸山正樹

No.1706 2022年8月30日読了 「面白かった」と安易に言えない小説ですが、ページを先へ先へと捲りたくなる本ですし、読み易い文章です。丸山正樹さんの本は、これで3冊目です。前に読んだ『ワンダフル・ライフ』は、実に衝撃的だった印象があり、今回の作品のテイストはかなり違っていると思います。 この小説は、2012年から2018年にかけて「小説すばる」に掲載された作品を1冊の本にしたもので、書かれている時期は結構前のようです。著者も「あとがき」に書かれていますが、その言葉を借りると、「特別養護老人ホームを部隊とした介護師の青年が成長していく姿を描いた物語で、コメディタッチの作品です。なので、『[…]
麦二郎
去年

『ワンダフル・ライフ』丸山正樹

No.1664 2022年1月10日読了 「読書メーター OF THE YEAR 2021」の第一位となった本です。本屋さんに並んでいるのを見た時、気になっていました。多くの方が読んでいらっしゃるようなので、年末に本屋さんで買って、読むことにしていました。 昨日から読み始めて、昨夜晩酌をしなかったら、そのまま1日で読んでいたかも知れないと思いました。300頁超の本ですが、初日で半分、そして今日は半分読みました。 ネタバレを含まないようにこの本の感想を書くのは難しいと思いますので、少しネタバレを含むことを予めお知らせしておきます。核心には触れないようにしますが。 読み始める前は、障がい者に関する[…]
麦二郎
2年前