『その日東京駅五時二十五分発』西川美和

投稿者: | 2017年12月11日

その日東京駅五時二十五分発』で西川美和さん作品を読んだのは、二作目だと思う。

130ページくらいで、活字もやや大きく、中編小説くらいの位置づけだろうか。著者の伯父様の体験をもとにした物語。

通信兵の主人公は、終戦の朝に、東京駅を翌日の五時二十五分発の列車に乗る。所属部隊は終戦の報せを前にして、既に解散されていて、多くの人が終戦を知らないうちに電車に乗る。その設定がちょっと意外で、多くの人が終戦を知らされていないうちに知っている兵隊がいたんだと、思った。

主人公は、新型の爆弾で焼かれてしまったという故郷の広島へ向かう。その途中の戦時中の回想などが織り交ぜられ、物語が進行する形式で描かれている。

著者がこの物語を書いたのは、ちょうど震災の頃のことらしい。2012年5月に出版された本だ。戦争と震災が少々オーバーラップしているのは、故郷が瓦礫になっている光景かも知れない。明らかに始まりの物語だと思う。終戦と言う終わりの物語ではなく、そこから何かが始まる、その直前までを描いた小作品なのだ。
(73冊目/2017年)

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