『窓の魚』西加奈子

窓の魚』は、温泉宿で一夜を過ごす二組の恋人たちの心模様を描いた作品。静かなナツ、優しいアキオ、可愛いハルナ、そして無関心なトウヤマの四人のそれぞれの視点で、温泉宿の一夜とそれぞれの過去の思いが語られている。

ゆっくりとした時間の流れのせいか、とても静かな物語のような感覚だ。四人のそれぞれの繫がりが、とても儚い感じさえして、今にも壊れそうな関係を何とか保っている感じだ。それぞれが抱えている過去も、今の心境もある意味とても孤独だと思う。そんな微妙なそれぞれの登場人物の心理描写が素晴らしく、西加奈子さんの表現力は凄いと思う。

救いようのない暗い物語というわけではなく、真っ暗な夜の闇の中にぼんやりと見える灯りのような、これもとても危ういものなんだろうけど、ちょっとだけ前向きな部分もある。今まであまり読んだことの無さそうな、恋愛小説なんだろうか。
(96冊目/2016年)


↑↓この記事良いなと思ってくださったらポチッとお願いします!
ブログランキング・にほんブログ村へ 

コメントを残す

CAPTCHA


*

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.