『花のさくら通り』荻原浩

『花のさくら通り』荻原浩

花のさくら通り』は、零細広告社ユニバーサル広告社シリーズの第3弾。第1弾は荻原浩のデビュー作『オロロ畑でつかまえて』で第2弾が最近読んだ『なかよし小鳩組 (集英社文庫)』。第1弾は村おこし、第2弾は暴力団のCIに取り組む話で、今回はシャッター商店街の復活に取り組む。

荻原浩さんのこのシリーズは、ユニバーサル広告社の社員達のキャラクターだけでなく、登場人物のキャラクターがシリーズの面白さに繋がっている気がする。ただ単にキャラクターが立っているだけでなく、それぞれが抱える悩みも物語を読み応えあるものにしている気がする。ただ単に面白いだけでなく、ほろっとするところもあるのが、荻原浩さんのユーモア小説が好きなところだ。

このシリーズの主人公、ユニバーサル広告社の社員杉山は、離婚していて娘と会わない約束をしている。時々娘から来る手紙を読む杉山の心の動きが描かれていて、この物語のちょっとしたスパイスのような役割をしている気がする。人の心は、過去の出来事とか、そういう背景のようなものに揺り動かされている面があると思うが、そういうところを描いているので、ユーモアだけの小説ではない味わいがある。

シリーズ3作の中では、この『花のさくら通り』が一番好きな気がする。思わず物語の中に引き込まれていて、商店街を復活させるために頑張っている人達の中に入っていたりするし、商店会長一派との対決にハラハラしたりしている自分が居る。僕にとって面白い小説とは、通勤電車の中で読んでいて、周囲の雑音が気にならないくらい集中できるものなのだけど、この小説もそんな小説でした。
(93冊目/2016年)


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