『大きな鳥にさらわれないよう』川上弘美

投稿者: | 2016年11月13日

『大きな鳥にさらわれないよう』川上弘美

川上弘美さんは、僕が好きな作家の一人だ。『センセイの鞄』で完全に虜になった。何とも言えない味わいがあり、文章も僕好みなのである。だから、いつも新刊はチェックしている作家さんなんだけど、この本は完全にタイトルで惹かれてしまった。

大きな鳥にさらわれないよう』というタイトルには、とても惹かれるものがあった。いろいろと妄想気味に、期待してページを捲った。裏切られてしまった。難し過ぎるからだ。読み始めて、最後まで読めるとは思えなかった。登場人物がコロコロと変わる。連作短編のような形式だけど、話毎に登場人物が大勢出て来る。一度登場したら出て来ないかと思うと、すぐに出て来たりする。

僕が弱いのは、登場人物が沢山出てきて、なおかつその一人一人が覚えにくい名前だったりする話だ。ひどいことに、数字だけの名前が登場したり、聖書に出てくる名前だったりして、日本人の名前じゃなかったりすることもマイナスだった。それでも、最後まで読めたのは、やはり川上弘美さんが書く文章だからだと思う。この作品で懲りてしまって、もう二度と読まないなんて思わないところも、何か違っていたんだろうと思った。

この小説を読むことによって、読書意欲は高まった気がするけれど、それはそれでとても良いことだと思う。

さて、この物語は人類の滅亡を描いている。未来の話だ。AIという今旬な技術により変貌して行く人類社会が描かれていると言って良い。SFかと言うと、そうじゃないと思う。未来なのにSFではないから、難解な物語になってしまう。SF純文学と言っても良いかも知れない。何とこんな物語も書く人だったか、というのがますます川上弘美さんの小説を読みたくなった理由だ。
(89冊目/2016年)


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