『向田理髪店』奥田英朗

投稿者: | 2016年6月10日

『向田理髪店』奥田英朗

向田理髪店』は、北海道の中央部にある過疎の町、苫沢町にある向田理髪店を中心に過疎の町の人々を描いた物語だ。6つの短編で構成されている。

主人公は、向田理髪店の店主康彦である。札幌に出て就職していた息子が、突然会社を辞め、理髪店の跡を継ぐと言う。過疎の町の理髪店は新しいお客さんも増えず、常連だけだったりするから、息子が跡を継ぐと言っても素直に喜べない。

隣人がくも膜下出血で倒れ、東京から帰って来た息子が毎週のように帰ってこなければならなくなった話は、どこにでもありそうな話だ。それを気遣って、協力するのが田舎町の住民の良いところ。

苫沢町に中国からのお嫁さんがやってくる。嫁を迎えるご主人は、何となく気後れして披露宴もやらないと言う。嫁に来るからには、町の人にもお披露目をした方が良いと、いろいろ世話を焼く人々。

小さなスナックの美人ママに夢中になる男達。映画のロケ地になり、町をあげて大騒ぎする話。息子が詐欺で警察に追われ、実家にもマスコミが押しかけて来る話など。読んでいて、微笑ましいと言うか、都会では無くなってしまった田舎の良さみたいなものを感じる。いつもどおり、奥田英朗さん独特のユーモラスな過疎の町の物語だった。
(63冊目/2016年)


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