『羊と鋼の森』宮下奈都

投稿者: | 2016年6月6日

『羊と鋼の森』宮下奈都

2016年の本屋大賞受賞作品である。読んだ理由ではなく、その前に何となく気になっていた本だった。表紙の羊が可愛いからでもなく、『羊と鋼の森』は何となく気になる本だった。

読んでみて良かったと思える本だった。不思議なタイトルだと思った。羊と鋼って何だろうかだとか、そもそも正反対みたいなものがある森って何だろうと不思議に思ったものだ。読み始めてすぐにその意味が分かった。この小説は、ピアノの調律師の世界を描いた小説なんだけど、読み始めて割と早い段階で、タイトルの意味は分かった。

調律師でもない著者が、調律師の世界を見事に描いていて、その世界を知らない僕にでも分かり易く書かれている。文章にし辛いだろうと思う音についても、とても良く書かれていて、それが違和感無く、すんなりと頭の中に入って来るようだ。著者の取材力や表現力は、素晴らしいと思う。

ひょんなことから調律師の仕事振りを見てしまい、その音を出すように調整した腕前に魅了され、主人公の青年は調律師になることを目指す。調律師となる部分は、それほど表現されておらず、調律師としての成長が描かれている。いろんな人のいろんなピアノへの思い入れを上手く描いており、それほど盛り上がりが多いわけじゃなく、淡々と物語は進んで行くのだけど、決して飽きさせない。自分の知らない世界を覗いてみたくなるような、興味深さを感じる。

この本が本屋大賞を受賞したことは、決して不思議ではないことを、読んでみて実感できたと思う。
(62冊目/2016年)


↑↓この記事良いなと思ってくださったらポチッとお願いします!
ブログランキング・にほんブログ村へ 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


*

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.