『海の見える理髪店』荻原浩

『海の見える理髪店』荻原浩

海の見える理髪店』は、6編の短編を収録した短編小説集。

共通しているのは、家族だったり、喪失したものだったりする。もっと言うと、あの日に戻れたらという後悔の念が描かれている気がする。

だからなんだろうか、僕がこれまで荻原浩さんの小説に持っていたイメージとは、少し違っているような気がした。思わず「クスッ」と笑いを漏らしてしまいそうなユーモアと、最後のほっこりしたエンディングが、荻原浩さんの特に短編に期待してしまうテイストなのだ。この短編集は、僕が求めているものよりも深刻で、ちょっと辛い感じかなと思った。

唯一期待どおりだったのは、「遠くから来た手紙」だったと思うが、この短編にしろ描かれているものは、ちょっと辛い状況なのだ。

いつもどおりに「クスッ」と笑いを漏らせない、シビアさが感じられる小説が多かった。本当は辛いけれど、それを敢えて見せないようにする空元気みたいなものがあると、それが期待していたものだと思う。

ちょっと深刻で、ちょっと辛い短編集だっただけに、落ち着いた環境でじっくり読むのが良いかなと思う。ザワザワした通勤電車で集中できずに読む小説ではなかった気がする。
(60冊目/2016年)


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