『二千七百の夏と冬(上)』荻原浩

『二千七百の夏と冬(上)』荻原浩

二千七百の夏と冬(上)』は、今から約二千七百年前の縄文時代の物語である。ダム工事の作業中に縄文人男性の人骨が発見されるところから、この物語は始まる。現代と過去の物語が、並行して進んで行く形式である。

最初は縄文人の名前や当時狩りの対象となった動物達の名前に戸惑ってしまう。特に動物の名前は、今の名前をちょっともじったネーミングなので、読んでいて違和感を感じて引っかかってしまう。外国文学を読んでいる時と同じで、この名前の登場人物は誰だったっけと、本の最初のページに戻って名前を確認してしまう。読むスピードが極端に落ちるかも知れないと思っていたのだけど、それほどでもなかった。

上巻では、主人公のウルクは、少年から大人になろうとしているところだ。狩りの上でもそうであるし、女性への思いも、古代人の儀式上もそうである。狩りで猛獣と向き合い、戦う勇気を身に付けて行くところが、成長過程を描いていると言って良い。そんな成長過程を辿ってみたくなって、次の展開を期待しつつページを捲る。

縄文人ウルクの冒険の物語として、そして青春の恋愛小説として、古代のファンタジーとして、いろいろなテイストの展開をついつい期待しつつ、先が読みたくなってくる。上巻の終盤になると、特にそうである。最初は戸惑うかも知れないけれど、徐々に物語の中に引き込まれて行くのだ。
(45冊目/2016年)


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