『我が家のヒミツ』奥田英朗

『我が家のヒミツ』奥田英朗

我が家のヒミツ』は、『家日和』と『我が家の問題』に続く家シリーズと言って良いのかいけないのかわからないけれど、「どこにでもいる普通の家族の、ささやかで愛おしい物語」が収録されている短編集である。

子どもが出来そうにない夫婦の妻が偶然出会う有名なピアニストへの思いを描いた「虫歯とピアニスト」は、本物なのかどうなのかが気になりながら、物語に引き込まれた。同期との昇進レースに敗れた正雄と妻の「正雄の秋」は、確かにどこにでもありそうな話である。16歳になったのを機に、実の父親に会いに行くアンナの話「アンナの十二月」は、どういう結末になるのかが、とても気になった。母が急逝して気を落とした父を心配する息子の話「手紙に乗せて」は、心温まる話だった。産休中に謎めいた隣人に気を取られる妻の話「妊婦と隣人」は、ちょっとしたミステリーだった。最後の「妻と選挙」は、有名な文学賞受賞の作家の夫と、急に市会議員選挙に出馬する妻の夫婦の話で、とても良い話だった。

どれもそれぞれに面白い短編で、確かにどこにでも居そうな家族の物語で、何だか愛おしい物語である。こういうところが、このシリーズの大好きなところで、早くも続編を読みたくなる。
(101冊目/2015年)


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