2014年に読んだ本のベスト23

投稿者: | 2014年12月31日
今年読んだ本で何が良かったのかについて、振り返っておこう。出版された年ではなくて、飽くまでも僕が2014年に読んだ本の中から選んでいる。ベスト23になっているけれど、1から23番目までの順位を付けることはしない。月間で2冊程度選んで、それを集めただけのベスト23である。
ということで、まず1月に読んだ本の中で良かったのは、村上春樹『1Q84』である。単行本のBOOK3が出た時に全部揃えた本だったが、ずっと積読本になっていた間に文庫化されてしまった。そこで思い切って読み始めたら、面白くて止まらなかった。分厚い本だったけれど、12日間で3巻読んでしまった。
万城目学『とっぴんぱらりの風太郎』も分厚い本だった。でも、お正月休みの間に一気に読み終えた。万城目学作品は、全部読んでいるけれど、この物語はユーモアだけでなく、ちょっとシリアスな部分もあって、とても面白かったと思う。次に何が出るかなと期待していたら、『悟浄出立』という本が出て、これも読んだけれど、短編だったことと中国の話が中心だったことがこれまでと違った部分で、やっぱり関西シリーズの方が面白いなと思った。
三浦しをんの『まほろ駅前狂騒曲』は、シリーズ化して安定した面白さを感じるようになってきた。当然『まほろ駅前多田便利軒』と『まほろ駅前番外地』も既に読んでいるけれど、多田と行天のキャラクターと活躍が面白い。次はいつ出るのだろうと、期待してしまう作品になった。今年は他にも三浦しをん作品では、『星間商事株式会社社史編纂室』を読んだが、彼女の作品は徐々に全部読破してみたいと思っている。
百田尚樹の『海賊とよばれた男』も相変わらず面白かった。海外資本の会社に真っ向から勝負を挑んだ出光興産の創業者がモデルとなっている。主人公をとりまく部下たちのパワーもすごくて、こういう人材が揃っている会社だから、勝負ができたのだと思った。百田尚樹作品は面白くて外れなしなのだけれど、テイストが変わらない気がして、最新刊はまだ読んでいない。
ベストセラー作家の宮部みゆき作品は、実はこの『小暮写眞館』が初めてだったりする。もうひとりの東野圭吾についても、これまで読んだことがあるのは1冊だけだったりする。解説を読むとこの宮部みゆき作品は、他の作品とはテイストが違っているらしい。こういう作品だと、もっと読みたいと思うのだけど、そうでなかったら何から読めば良いのかわからなくて、結局まだこの1冊のみとなっている。
角田光代という多作な作家の作品は、ほとんど読んでいる。僕の好みの作品が多いのか、全部読んでみたくなる作家のひとりなのである。奥さんも好きな作家で、ふたりで本を買うから、必然的に全部読んでしまうのかも知れない。『空の拳』はめずらしくスポーツモノで、ボクシングが題材になっている。それはそれでいつもの角田光代作品と違った部分もあり、とても面白かった。
原田マハ作品は僕の好みなので、全作品を読破したいと思っている。原田マハ作品にはまったのは、『楽園のカンヴァス』が始まりなので、以前の作品は文庫本になったタイミングで読んでいる。『まぐだら屋のマリア』も文庫本が出たから読んだ。「まぐだら」って何だろうと思っていたのだけど、「なんだそういう意味か」という感じだったのは、単なる余談である。原田マハ作品は女性が主人公のものが多く、それぞれ素敵な女性が登場するが、この作品も例外ではなかった。
雫井脩介『クローズド・ノート』は、前から読んでみたかった本だった。沢尻エリカ主演で映画化もされているので、映画の方もずっと観たいと思いつつ、まだ観ていない。そのうちiTunesでレンタルして観たいと思っている。アパートに引っ越したらそこに忘れ物のノートが置いてあり、そのノートに書かれていたことが、この物語の中心となっている。
吉田修一『愛に乱暴』は、出版よりかなり遅れて今年の5月に呼んだ作品。最近の吉田修一作品は、悪人を描くようになってきた感じがする。この物語は、夫婦の崩壊を描いているのか、それとも人間の持つ悪い面を描いているのだろうか。吉田修一も、基本的には全部読もうと思っている作家のひとりである。
荻原浩作品も外れなしで面白い。ユーモアがあり、いろんな抽斗を持っているのが彼だと思う。『月の上の観覧車』は、ちょっとテイストが違っていて、結構難解だったが、こういう抽斗も持っているのかと思った作品だった。
6月も吉田修一作品を読んだ。『怒り』はある事件の犯人かも知れない3人の3つの物語が並行して進んでいく形を取っている。3つの物語が交錯する面白さと誰が犯人なんだろうかと考えながら読んで行く面白さがあった。この作品もやっぱり悪い人を描いているから、最近の吉田修一作品の特徴なのか、もしかすると以前からそういう傾向だったのか。
近藤史恵作品は、シリーズものが多い。この作品『タルト・タタンの夢』もシリーズ化されていて、前から読みたかったのだけど、文庫本になったので買った本だ。フランス料理店のシェフが主人公で、彼がかかわるちょっとした事件の謎を解くミステリー作品である。読み易くて面白い作品だった。同じシリーズの『ヴァン・ショーをあなたに』も読みたいと思っている。
ひそやかな花園』は、今年読んだ角田光代作品の中で一番面白かった。ある共通の秘密を持っている家族が毎年夏集まっていたが、ある事件をきっかけに集まるのを止めてしまう。そういう思い出を持った子ども達が大人になって、集まっていた家族を探して、共通の秘密に迫って行く物語だ。ミステリーというよりも、心理描写が中心の作品である。
伊吹有喜、この人も好きな作家のひとりである。新しい本が出たら、すぐに買って読んでいる。最近デビューされた作家なので、そんなに作品数は多くない。過去の作品だと『風待ちのひと』が好きだったりする。その本と共通点があるような気がする。心に傷を負った人と言うか、ちょっと寂しい人が主人公になっている。物語は淡々と進んで行く。興味をひく謎もわくわくすることもない。どこかそっと応援してあげたくなる。そんな感じだ。
うん、この作品は面白いこと間違いなし。そう言える作品である。荻原浩作品の中でも、とても面白い作品である。ホームレスから宗教団体を立ち上げ、成功する主人公を描いている。『砂の王国』というタイトルから想像できるように、その宗教団体は砂で造った像のように、あるタイミングから崩壊して行く。成功への過程も面白いし、崩壊して行く様のハラハラする感じも面白い理由である。そういう娯楽作品というものだけに留まらないところが、荻原浩作品の素晴らしいところだろう。
このジャンルの作品は、ほとんど読まないものだった。『悪の教典』は映画化されていて、そのDVDの予告編をレンタルショップで観たことがあり、それが印象に残っていて買った本である。読み始めたら、止まらなくなった。読書の楽しみはいろいろあるけれど、理屈抜きにこれだけ引き込まれる作品も、とても読み応えがあると思う。現実では考えられないことなんだけど、そこが小説の良いところだろう。
奥田英朗も僕にとっては外れ無しの作家である。荻原浩とともに、奥さんも好きな作家で、奥さんからのお勧めもあって読んでいる。この作家もいろんな抽斗を持っている気がする。『純平、考え直せ』は、鉄砲玉としての仕事をする前の主人公を描いている。とりまく登場人物たちも面白い。
川上弘美も好きな作家のひとり。『古道具中野商店』は、古道具屋で働くわたしと店主の中野さん、その姉マサヨさん、わたしと恋仲であるようなないようなむっつり屋のタケオの4人の恋と友情、生活を描いている。ゆったりと流れる物語は、川上弘美作品には共通している気がする。そういう雰囲気の小説が、僕の好みなのかも知れない。
八月の六日間』で初めて北村薫という作家を知った。本屋さんで見かけて、ずっと気になっていた本で、読んで良かったと思う本だった。40歳目前の文芸誌の副編集長をしているわたしは、仕事は充実しているが忙しさに心擦り減る事も多く、私生活も不調気味。そんな時に出逢った山の魅力にわたしの心は救われていくという物語。読んでいると淡々とした物語のようで、後でじわっと「いいな」って思う作品だった。
原田マハ好きにはたまらない本だった。『風のマジム』は、南大東島のサトウキビを使って、ラム酒を造るという夢を実現した女性が主人公。夢に向かって突き進んで行く素敵な女性を描いている。実在の人物をモデルにしていて、実際に南大東島で造ったラム酒が販売されている。まだ買っていないけれど、来年の夏はぜひ買って、モヒートを楽しみたいと思っている。
角田光代の短編小説集。『平凡』は、もし、あの人と別れていなければ、結婚していなければ、子どもが出来ていなければ、仕事を辞めていなければ、仕事を辞めていればというお話の短編集。もしかしたら私の「もう一つの人生」があったのかも知れないという思いが、モチーフになっている。短編集だけど、ひとつの本としてもまとまっていて、とても面白い本である。
村上春樹ファンに一番人気の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』は、やっぱりとても面白い作品だった。これまで何度も村上春樹作品を読もうとして本を買い、途中で挫折したことがあるけれど、来年はそういう作品をもっと読破して行きたいと思った。並行して進展して行くふたつの物語とその関係性がこの本の面白さのひとつだと思う。こういう物語は、今年初めに読んだ『1Q84』とも共通するものだと思う。
村上春樹の短編集『女のいない男たち』は、同じテーマで書かれた短編である。長編と違って読み易さを感じるものもあったし、短いために難解なものもあった。どちらかと言うと、長編が好きなのだけど、この短編集は読み易さを感じるものだった。書いた時期もテーマも同じもので、短編集を書かれているようなので、短編小説のそれぞれは違っていても、まとめるとひとつの物語のような統一性のあるものになっている気がした。

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