『平凡』角田光代

投稿者: | 2014年10月10日

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「もしあの時こうしていなければ」という思いは、人生のいろいろな場面で思うことがある。今を後悔しているわけでなく、過去に別な選択をしていたら、今はどうなっただろうかという思いだ。人生は、そういう選択の連続で作られているのかも知れない。

平凡』は、そういう「もし」をモチーフとした6つの短編小説を収録している。「もし」で繋がった連作短編集みたいな感覚で読み進めた。それぞれの「もし」は、それぞれに面白い。3つの物語は恋愛がらみで、他は逃げた猫の話だったり、子どもが事故に遭う話だったりする。いずれも、「もし自分があの時こんなことをしていなければ」という話である。

ある選択をしなければ、人生は違っていたんじゃないかという思いは、確かにいろんな場面で浮かんでくる。でも、自分自身の選択だったわけで、決して偶然の出来事でもないわけで、もしかするとそれが必然だったんじゃないかと思う。それでもやっぱり、「もしそうしていなければ」という思いは、時々浮かんでは消えていく。
(84冊目/2014年)


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