『ひそやかな花園』角田光代

投稿者: | 2014年7月19日

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ひそやかな花園』を読み終えて、良い読後感を味わうことができた。内容はかなり重たく、ところどころで人間の嫌な面を見せている物語なのだけど。エピローグは父親に宛てた手紙形式になっていて、その内容がとても前向きなものだ。その手紙を書いた人が、この物語の中心の7人のうちの一人で、その人だからとてもいいなと思える。

子どもの頃に夏になるととある別荘に集まっていた七つの家族と七人の子ども達。何度かそういう集いが催され、子ども達はその集いを楽しみにするようになる。ところが、ある時突然その集いは催されなくなる。それっきり家族の繋がりはぷっつりと切れ、子ども達はやがて大人になる。それぞれに音信は途絶えているけれど、あの頃の集いは何だったのだろうかという思いから、徐々に7人は集まり始める。

やがてあの夏の集いの謎は解けて行くのだけど、その核心に迫ろうとする者と敢えて見ないようにする者など、その心理描写はさすがだと思う。結果として、それぞれにそれぞれの答えを見つけるところが、この物語の読後感を良くしている。曖昧なまま終わらず、でもはっきりとした答えではないけれど、それぞれが納得して次の一歩を踏み出している。とても面白く、良い本を読めた気がします。
(63冊目/2014年)


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