『空の拳』角田光代

投稿者: | 2014年3月4日

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去年の秋に出版された時に迷わず買った本だったけど、半年くらい積読本になっていました。角田光代さんが、ボクシングを小説にするとどんなふうになるか、期待感もあったけれど、不安感もあったからです。

本棚から取り出して、やっと手に取った『空の拳』を読み始めて100ページも読み進めると、不安感は払拭されて期待感だけになりました。これまで角田光代さんが取り上げたことのない題材のせいもあり、とても新鮮な感覚で読み進めることができました。

角田光代さんの小説というと、主人公の視点から見た自分自身や登場人物の心理描写が特徴のような気がします。いつもの僕のイメージだと、ボクシングをしている主人公の視点と言葉で、延々とその心理描写が続くような感じがしていました。そうではなく、ボクシング知らずで突然ボクシング雑誌の編集者に配属された主人公の視点で、ボクシングに取り組む登場人物達が描かれています。ある意味小説らしいヒーローのような選手が登場するのではなく、もっと現実に近い選手像が描かれています。たまたまボクシングを始めたような、素人にずっと近いところに居た選手も描かれています。

そういう部分が角田光代さんらしさを保っているのかも知れません。ボクシングの試合が繰り返されながら、物語が進んで行くので、ある程度読み易いテンポだった気がします。とても面白く、後半は次へ次へとページを捲りました。題材が初めてだったこともあり、角田光代さんらしさを保ちつつ、とても新鮮で面白い小説でした。
(24冊目/2014年)


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