『小さいおうち』中島京子

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小さいおうち』は、2010年上半期の直木賞受賞作品。その頃にとても目をひく装丁だったこともあり、気になっていた本でした。去年の12月頃だったか、文庫本化されたので、迷わず買った本です。内容については、ほとんど予備知識もありませんでした。

最初のうちは少し退屈かも知れません。赤い屋根のモダンで小さなおうちに住む家族のことを、そこで女中をしていたタキが記憶を綴る形で物語が展開します。昭和初期の戦前、戦争中あたりの話です。物語の展開はむしろゆっくりとしているので、そのことで退屈だと感じるかも知れません。そのうち、半分くらい読んでから、面白くなってきました。

描いている時代が古いので、夏目漱石など古い文豪の小説を読んでいる気分になります。僕は戦後生まれなので、実際は知らないのですが、何となくどこかノスタルジックな感じさえしてきます。物語が流れて行く空気が、何となく懐かしさを感じます。女中さんの視点を借りて、戦前から戦中を生きたごく普通の家族を描いたものです。

ちょっと切ないし、ちょっと儚さを感じたりしました。これまで読んだことがない、独特の味のある小説です。読み終えた後の余韻も、とても良い感じでした。良い本に出会えた気がします。
(79冊目/2013年)


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