わたしの小さな古本屋

投稿者: | 2012年7月3日

『わたしの小さな古本屋』田中美穂

わたしの小さな古本屋〜倉敷「蟲文庫」に流れるやさしい時間』は、21歳で古本屋を始めた田中美穂さんのエッセイ集です。ある日突然仕事を辞めることになり(著者は「10月26日革命」と呼んでいるようですが)、何故か唐突に古本屋になろうと決心したそうです。

この本を買った時には、古本屋を営む苦労話がもっと沢山書かれているのだと思ったのですが、予想は外れました。古本屋は誰にでも始められるのだろうか、古本屋を営むにはどんな苦労があったのだろうか、そんな疑問に対する答えを期待して買った気がしますが、その期待は裏切られたのです。蟲文庫を訪れるいろいろな方の話や、看板猫の話、苔の話など、いろいろでした。サブタイトルの『倉敷「蟲文庫」に流れるやさしい時間』というのがぴったりのエッセイ集でした。良い方に裏切られたのかも知れません。やさしい時間と言うよりも、ゆったりと流れる時間と言った方が適切な気がします。文章にもそういう雰囲気が滲み出ています。

いきなり古本屋を始めて、資金が無くて本も少なかった蟲文庫ですが、当初はこの本に書かれている以上のご苦労があったようです。文章はそんなふうには思えないくらい、ゆったりとした文章なのですが、ご苦労は多かったに違いありません。倉敷に行くことがあったら、是非立ち寄ってみたい古本屋さんです。

ちなみに蟲文庫のホームページは、こちらです。
(73冊目/2012年)


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