紙の月

投稿者: | 2012年5月3日

『紙の月』角田光代

紙の月』は本の帯にもあるように、銀行の契約社員が1億円を横領して、海外へ逃亡する話です。ほんのちょっとしたことから始まって、だんだん大きくなって行き、深みにはまって行く様子が描かれています。高校時代の友人達の物語も並行して進んで行きます。その友人達もそれぞれにお金にまつわる悩みなどを抱えていたりします。買い物によってストレスを発散するしかない主婦だったり、子供にお金を使わなければ気が済まない主婦だったりします。

ほんのちょっとした違いで、思わぬ方向へ人生が進んで行ってしまう。自分でも止めたいけれど、どうしても止められない、そんな主人公の心情が描かれています。スリリングでちょっとミステリーっぽい物語のようですが、むしろ淡々と進んで行く感じでした。次の展開を知りたくなるのよりも、その時その時の主人公の心の中をじっくりと描いている、そんな感じの小説でした。
(53冊目/2012年)


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