東京ゲスト・ハウス

投稿者: | 2011年8月7日

『東京ゲスト・ハウス』角田光代

遠くで雷鳴が聞こえ、夕立がやってきそうな休日の昼下がりに読み終えた。最近は休日に本をまとまって読むことが、滅多に無い。昨日、今日はちょっと違っていて、時間を作って本を読もうという意識になっている。

今月読む予定の本を決めたことによる変化なのか、それとももっと読みたいと思う読書熱のせいなのかは、わからない。いずれにしても、読めなかった理由ははっきりしていて、本を読む時間を作らなかったからだ。忙しくて本を読む時間が無いわけじゃなく、いくらでもあるのだけれど、もっと他のことをしたくてなかなか時間を作れなかっただけだ。しかも、その他のこともあまりできているとは言い難いのである。

本とは関係ない文章が長くなってしまったが、角田さんの小説には「何かしたい筈なんだけど、それが何かわからない」という焦れったさが感じられるものが多い。言い換えると、自分というものを探して、いつも旅をしている感じだ。この『東京ゲスト・ハウス』は、そんな旅から一時帰国した旅人が集まる場所の話である。一時帰国なのかも知れないし、旅から帰って来て、そのまま現実に帰りたくない人達が泊まる宿なのかも知れない。

旅に出ることは、現実からの逃避でもあるわけで、そんな中で自分が見つかる筈はないのだけれど、旅することに未練を残しつつ、ストレートに現実に戻りたくなくなるのも、良くわかる気持ちである。結局似た者同士が集まることになるゲスト・ハウスなんだけど、そこでもいろんな出来事が起こり、再び旅へ帰って行く人がいたりするのだけど、どうやら主人公は現実へ戻ろうとしているようなのである。そんな角田さんらしさいっぱいの小説だった。

僕自身は、これまで休日に本が読めなかったのが、読めるようになって、何となくちょっとだけ、嬉しいことのように思いながら、遠くに聞こえる雷鳴を聞いていたりする。今月は今のところ読書のペースは順調である。
(84冊目/2011年)


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