ドラママチ

投稿者: | 2011年8月2日

『ドラママチ』角田光代

いろんな「マチ」に関する短編が八つ収録されている本である。目次は電車の駅みたいな体裁になっていて、それぞれの駅に「マチ」の名前が付いている。だから、この「マチ」は町や街のことだと思っていた。読み終えてみて、そういう「マチ」という意味もあるだろうけど、本当は「待ち」だったことに気付いた。要するに、何かを待っている話なのである。そういう意識で読むと、物語がすっと落ちてくる。実はそういう意識で読んでいなかったので、結構読むのに苦労してしまった。通勤電車の中で眠くなってしまうせいもあるけれど、この300頁の本を何日もかけて読むことになった。

ドラママチ』の「マチ」が「待ち」だという意識で振り返ってみると、読んでいて感じていたじれったさの理由がわかった。そういうのも角田さんの持ち味なので、いつもの角田さんの小説だと思って読んでいた。「待ち」のじれったさ、物語の進展がゆっくりといういつもの角田さんのもどかしさ、そんな短編が結構多い。

後で解説を読んで知ったのだけど、この本に収録されている短編は、角田さんの作風が変化した前後に書かれたものらしい。前半の4つの短編と後半の4つの短編で分かれているらしい。そう言えば、後半の短編のラストは前半のものと違っていた気がする。『空中庭園』と『対岸の彼女』との違いのような感じだ。
(81冊目/2011年)


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